News for 2月 2012

29/02/2012/WED/四百二十五日目

閏日。東京スカイツリーが完成。大雪のため朝から交通が混乱。

ちび太が名前を呼ぶと返事をするようになった。

夕方、福島県沖を震源に震度3。深夜、千葉県東方沖を震源に震度4。今日は完封。

Posted: 2月 29th, 2012
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28/02/2012/TUE/四百二十四日目

昨日にひき続き、今度は港区立高輪小学校で特別授業、「アーティスト一日学校訪問」。対象は5年生84人。

今回も『「パ」日誌メント』の話からはじめる。昨日と同様、まずスクリーンに「パ」の字を映してみせたのだが、やはり子供たちは「パ!」「パ!」とその音を口々に声に出して盛り上がったのだった。「パ」という音節には、その文字を見ただけで、思わず声に出したいという欲望にかられるような、特別な力が備わっている。子供たちが「パ」という音を好きなのは、その音が無邪気な戯れの感覚をくすぐると同時に、唇で起きる小さな破裂にある種の快感を求めるからに違いない。「パ」こそは、あらゆる音節の中で、もっともキャッチーな音節なのだ。さらに、その音に付けられた「100万円」という値段もキャッチーだ。子供たちにとって、大金の象徴とは、いつの時代も「ひゃくまんえん」。だから「パ」日誌メントは小学生ウケがいい。

授業終了後は子供たちと一緒に給食をいただく。手を替え品を替え、何とか僕に「パ」と言わせてやろうとする子供たち。

日付変わってすぐ、宮城県沖を震源に震度3。早朝未明、沖縄本島近海を震源に震度3。昼過ぎ、茨城県沖を震源に震度4。今日は完封。

Posted: 2月 28th, 2012
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27/02/2012/MON/四百二十三日目

東京都現代美術館の教育プログラム、「アーティスト一日学校訪問」の一環として、港区立麻布小学校で特別授業。麻布小学校は、六本木交差点から歩いて数分、都心のど真ん中にある小学校で、校庭からはすぐ近くにそびえる東京タワーが見える。今回の対象は5年生28人。

授業の最初に、「パ」という文字を大きくスクリーンに映し出す。それを見るなり口々に「パ!」「パ!」「パ!」と声を上げる子供たち。

「授業の最初に言っておきたいんですが、僕はこの音を言うことができないんです。」

「えっ?…なんで?…」と驚く子供たち。それまで騒がしかった教室がしーんと静まり返った。

「なぜなら僕はこの音を100万円で売ってしまったからなんです。」

全員目を一層まん丸くして驚いている。

僕はできるだけ噛み砕いて説明した。世の中には”アートマーケット”と呼ばれる美術作品が売り買いされる市場があり、僕がそこで自分の「パ」を売ったこと…。また時代によって美術というものはどんどん進化し、現代の美術の世界では、考え方が作品となったり、身体が作品になったりするということ…。驚きつつも、子供たちは僕の説明を理解してくれたようだった。

「パ」日誌メントの解説にはじまり、実演や、実際に体をつかってのワークショップ的実践を交えながら2時間。授業終了後は子供たちと給食をいただく。給食を食べているときである。ある子がとなりの子に、自分の「イ」を5万円で買わないかと、持ちかけていた。おいおい、「イ」なんて売ったら大変だぞ。しかも、5万円は安いだろう…。

そして帰宅後、良い気分でちび太を相手に歌っていた時のことである。
地雷ワード、「パラパラペッパッポー♬」、パ裂。
しかも不覚にも三連パツである。インコを相手に歌ってると、どうしても「パ」行のスキャットが出がちになる。

震度3以上の地震は観測されず。

Posted: 2月 27th, 2012
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26/02/2012/SUN/四百二十二日目

明日、明後日に予定されている、小学校への『アーティスト一日訪問』のための準備。

震度3以上の地震は観測されず。今日は完封。

Posted: 2月 26th, 2012
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25/02/2012/SAT/四百二十一日目

またあのヨウムに会いたくなって、「パ」ートナーと一緒にペットショップへいく。

カゴに近づき、声を出すとすぐさまヨウムは奥の止まり木からこちらに寄ってきた。僕のことを憶えていたようである。「パ」ートナー曰く、ヨウムは人を選ぶらしい。自分の心が通じる相手が直感で分かるのだそうだ。

しばらくヨウムとセッションにいそしみ、いい感じで落ち着いたところで、オオバタンのところへ行ってみた。ペットショップ内で放鳥されているのは、このオオバタンのみで、彼は2m近くもある大きなカゴの屋根の上から、まるで自分がこのペットショップの主であるとでも言わんばかりの態度で睨みを効かせていた。しかしこのオオバタンもストレスからか、毛引きがひどく、翼に柔らかな羽はほとんど残っていなかった。残された羽軸は、ひしゃげて何重にも折れ曲がり、貧弱なサンゴか、枯れた木の枝のようになって、彼の胴体の両脇から突き出していた。

値札を見ると、924,000円という金額が表示されている。このボロボロの鳥に、ちび太(1,980円)x466羽分の金銭価値があるとは…。

オオバタンの目をみながらホーメイを歌う。すると彼はカゴの屋根から、僕の目の高さのところまで、低い体勢でゆっくりと降りてきた。そして僕のホーメイを聴きながら少し右往左往したかと思うと、突然、冠羽を逆立てて、天を衝くような強烈な奇声をあげはじめた。どうやらホーメイがお気に召さなかったようだ。そのあまりの剣幕に、ペットショップ中の動物たちと人間たちの全員が一瞬にして凍り付き、店内がシーンとなってしまった。

そしてヨウムのところへ戻り、また少し遊んで、そろそろ帰ろうとカゴの前から立ち去ろうとしたその時である。

「バイバーイ」

低く乾いた男の声で、ヨウムがはじめて人間の言葉をしゃべった。

「オウム返し」という言葉があるように、インコ・オウム類は言葉の意味を理解せずにただ単に音を真似ているだけだという風に言われているが、それは誤解である。実際の彼らは、言葉の意味を理解し、状況に応じて使い分けることができるのである。

それにしても、ヨウムの「バイバーイ」という声は本当に不思議な声だった。それは「肉声」とも「録音された声」ともつかない独特の質感を持った声だった。

震度3以上の地震は観測されず。今日は完封。

Posted: 2月 25th, 2012
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24/02/2012/FRI/四百二十日目

東京都現代美術館のプログラム、「アーティスト一日訪問」で12月に訪れた錦糸小学校の子供たちが、現代美術館へ学外授業で来るというので、皆に会いに出向いた。僕の顔を見るなり、「あっ!パッ!パッ!」と盛り上がる小学生たち。すっかり「パ」の人という認識で定着してしまったようだ。

小学生たちに別れを告げた後は、国立美術館で開催されている『メディア芸術祭』展へ。その後、国際交流基金で「Omnilogue」のシンポジウムへ。

今日付けの週刊文春によると、郡山で4歳児と7歳児に放射能のよる甲状腺がんの疑いが出たとのこと。

未明、岩手県沖を震源に震度3。昼すぎ、茨城県南部を震源に震度3。今日は完封。

Posted: 2月 24th, 2012
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23/02/2012/THU/四百十九日目

一日、スタジオで作業。

スタジオまでの道すがら、先日会ったヨウムのことが気になって、またペットショップへ立ち寄って見た。

鳥売り場へ行き、カゴに近寄ると、ヨウムも奥の止まり木からこちらへ近寄ってきた。僕のことを憶えていたようだ。カゴに指を入れて歌ってやる。その指を甘噛みしながら、ヨウムも声で僕の歌に応えてくる。ふと気がつくと、なぜかヨウムは僕の指を噛みながら嘔吐し始めた。少し驚いたが、あまり気にせず、しばしセッションを楽しんだ。

後で知ったところによると、インコ、オウムの雄は求愛行動の一環として、食べた餌を吐き戻して雌に与えようとするそうだ。

今日でちび太が家に来てちょうど一ヶ月が経つ。ちび太を飼い始めてからというもの、僕はすっかり鳥の不思議な魅力にはまってしまっている。

震度3以上の地震は観測されず。今日は完封。

Posted: 2月 23rd, 2012
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22/02/2012/WED/四百十八日目

昨日に引き続き、一日中インフルエンザで寝込んだ「パ」ートナーを看病する。
子供にタミフルを飲ませると悪夢をみる副作用がでることがあるというが、「パ」ートナーも悪夢を見たらしい。
以下に「パ」ートナーが語った夢の内容を記す。

・・・・・・・・・・
いつものように電車を降り、駅から家に帰ろうとすると、何故か駅からの道が家まで直接つながっていた。

私はその道を通って家に帰り、ベランダへ出た。すると汚い苔の生えた水槽の中で魚が死んでいる。その脇には荒れ果てたシクラメンの植木鉢が放置されている。

シクラメンを不憫に思った私は、水をやろうと洗面所でじょうろに水を溜め、ベランダに戻る。すると、何やら植木鉢がカタカタと動いていた。一瞬、地震かと思ったが、よくよく目をこらしてみると、植木鉢の下に数尾の秋刀魚が下敷きになっているではないか。秋刀魚が蠢くたびにその秋刀魚が植木鉢の足になり、カタカタと音をたてながらこちらに向かって歩いてくる。

歩く植木鉢に恐れおののいた私は、ベランダから部屋に逃げ込もうとしたが、内側から窓の鍵がかかっていて開かない。背後に迫り来る植木鉢…。もうだめだと思い、ベランダから飛び降りようとしたそのとき、冬樹が家に帰ってくる。

冬樹が内側から鍵を開けてくれたことで、私はようやく部屋に戻ることができた。しかしそこで起きた恐怖の出来事のことを話しても、冬樹はまったく耳を貸さず、「そんなことより、近くにすごくいい鳥の病院ができたんだ。そこの先生と仲良くなったよ!」と嬉しそうに語るばかり。

冬樹はその日から鳥病院に足しげく通うようになる。ある日、また冬樹が鳥病院に出かけたので、怪しいと思った私はこっそりその後をつけることにした。

外から鳥病院を覗くと、院内には色とりどりの鳥たちが飛び回っていた。冬樹は鳥たちに囲まれ、とても楽しそうにしていた。鳥病院の先生は女医で、冬樹に気があるらしく、鳥をダシに使って冬樹を口説いていた。冬樹は女医の下心に気付かずに、ただ無邪気に鳥に夢中になっていた。

そして家…

冬樹が家に帰ってきた。手には女医がくれたという、黄緑と黄色のびっくり箱のような小さな箱をいくつか持っている。箱のてっぺんには赤くて丸いボタンがついている。箱には説明書がついていたが、冬樹は説明書も読まずにそのボタンを押してしまう。すると箱から鳥が生まれ出てきた。それに大喜びする冬樹。それに対して「今の科学でそんなことはできないのに、けしからん!」と怒る私。

冬樹はさらに他の箱のボタンを押した。すると次々と鳥が生まれ出てきた。いくつかある箱のうちの1個がスペシャルボックスだったらしく、どんどん鳥が生まれ出てきて止まらない。騒がしくさえずる鳥、鳥、鳥…。最終的に部屋は無数の鳥たちで溢れかえってしまい、似たような鳥にまぎれてどれがちび太か分からなくなってしまった。「あんな女医のところに行くからこんなことになるんだ」と私は怒り狂った。一方で冬樹は楽しそうにはしゃいでいる。「ほら!どんどん生まれてくるよ!ねぇ、先生のところに行ってみようよ!」と私の怒りなど意に介さず。

次の日、私は満員電車に乗っていた。ふと目の前のおじさんを見ると、明らかにカツラだと分かる髪型をしている。しばらくおじさんの頭を眺めていると、カツラの両脇の部分がみるみる伸びて、鳥の羽根のように変形しはじめたではないか。さらにおじさんの目はまん丸になり、口はクチバシのように尖りはじめた。見て見ぬふりをしていると、終いにはおじさんの頭部が胴体から切り離されて飛び立ち、私に襲いかかってきたのである。

私は後悔した。昨日あんなに怒ってしまったから罰があたったのだと。
・・・・・・・・・・

震度3以上の地震は観測されず。今日は完封。

Posted: 2月 22nd, 2012
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21/02/2012/TUE/四百十七日目

「パ」ートナーが高熱を出したので一日中看病。

病院へ連れて行くと、インフルエンザと診断され、タミフルを処方された。
夜はシチューつくり、「パ」ートナーに食べさせる。

震度3以上の地震は観測されず。今日は完封。

Posted: 2月 21st, 2012
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20/02/2012/MON/四百十六日目

朝、喜瀬ビーチを散策。家族でサンゴや貝殻拾い。ホテルをチェックアウトし、途中、万座毛に立ち寄り、斎場御嶽へ。久高島を望む。斎場御嶽のすぐそばにある「海のイスキア」でマンゴージュースを堪能した後、「山の茶屋 楽水」で昼食。その後、那覇へ戻り、家族は国際通りで買い物。僕は那覇出身の多摩美OBの元教え子、花ちゃんと再会。レンタカーを返し、那覇から羽田に飛び、家族を車で家に送り届け、家族サービス完了。

昼、茨城県北部を震源に震度3。今日は完封。

Posted: 2月 20th, 2012
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19/02/2012/SUN/四百十五日目

朝、美ら海水族館へ。人工尾ビレをつけたイルカ「フジ」に会う。本部町の「農芸茶屋 四季の彩」で絶景を堪能しながら昼食を食し、慶佐次へ足を延ばしマングローブ林の浅瀬をカヤックで巡る。ホテルに戻り、ホテルのレストランで母の70回目の誕生日を祝う。

午後、茨城県北部を震源に震度5弱。大きい。茨城が揺れている。今日は完封。

Posted: 2月 19th, 2012
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18/02/2012/SAT/四百十四日目

母と弟、「パ」ートナー、「パ」ートナーの母の5人で沖縄旅行へ。

羽田から那覇へ飛び、レンタカーを借りて那覇を観光。「ゆうなんぎい」で沖縄料理を食した後、名護へ移動し、喜瀬ビーチのホテルに泊まる。

昼、茨城県北西部を震源に震度4。夜、茨城県沖を震源に震度3。今日は完封。
(※ここまでの成績は、後日改めて計算した上で更新します)

Posted: 2月 18th, 2012
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17/02/2012/FRI/四百十三日目

昼、SNOW Contemporaryの石水さんから電話。

ある催しで「パ」フォーマンスをやる話があるのだが、その件について打ち合わせ中、「P、P…、プァ、ピャフォーマンスがぁ、」と口走ってしまった。[p]…という子音の後、[a]という母音が出るか出ないかというところで急ブレーキが間に合ったような、間に合わなかったような…。スポーツで言えば、ビデオ判定に持ち込みたい微妙なケースであり、ギリギリセーフにしたいところだが、ここは自分い厳しくギリギリアウトということに。

地雷ワード「パフォーマンス」、パ裂。

明日から、母と弟、「パ」ートナー、「パ」ートナーの母の5人で沖縄旅行に行くので、夕方、ちび太をペットホテルに預けにいく。

その帰り道、「パ」ートナーがペットショップに行きたいと言い出した。ちび太を買ったとき同じカゴにいた兄弟たちの様子をみたいという。

ペットシップのインコ売り場へいくと、ちび太の兄弟は全羽売れ残っていた。ちび太と同じ時期に生まれたので、もう生後3ヶ月半。そうなるともう手乗りインコとして育てるのは難しくなり、ペットとして商品価値が落ちることになる。

値札をみると「980円」という金額が表示されていた。ちび太を買ったときは全羽「1,980円」だった。1,980円ですら安いと思ったのに、さらに1,000円値引きされ、半額以下になっていた。芸ものセキセイインコなら多少成長しても趣味で欲しがる人はいるだろう。しかし成長しきった何の変哲もないセキセイインコを欲しがる人はあまりいないと思われる。今後誰にも買われなかったら、ちび太の兄弟たちの運命はどうなるのだろう?。そう思うと全羽買いたい気持ちにかられたが、そんな感傷的な想いを断ち切り、後ろ髪を引かれながら僕らはカゴの前を立ち去った。

「パ」ートナーがもう一軒すぐ近くにあるペットショップに行きたいというので、はしごすることにした。ちび太を買ったペットショップはホームセンターに併設した店なのだが、こっちは日本最大級とも言われる大型店である。

もちろん鳥売り場へ直行。お目当てはインコ・オウム類の中でも最も賢く、おしゃべりの天才と言われるヨウム。値札を見ると398,000円。ちび太の兄弟の406羽分の金額だ。年齢は3歳とのこと。

しかしそのヨウムはストレスからか、毛引きが激しく、無惨にも羽がボロボロだった。ところどころ鶏肉のような地肌が見えている。とても398,000円では売れないだろう。2月8日に行ったインコ・オウム専門店「こんぱまる」のヨウムは198,000円。20万円も値段が違う。

僕らがヨウムを見ていると、店員が来てカゴの中に手を入れて掃除をしはじめた。羽を膨らませながら店員を威嚇し、指に噛み付こうとするヨウム。

「この仔は人間嫌いなんですよ…。最近ウチに来たばかりなんですけど、以前いたペットショップがストレスだったのか、毛引きもしちゃって…」と店員。確かにカゴには「噛むので手を入れないで下さい」と注意書きの札が貼ってある。

店員が立ち去った後、僕はヨウムを見ながら首を少しかしげてみた。すると彼の鋭い目と視線がバッチリ合った。視線を保ったままホーメイを少し聴かせてやると、彼の呼吸が凍り付き、僕に興味を持ったのが分かった。すかさず畳み掛けるようにして、声を出しながら口笛を吹いたり、舌を鳴らしたり、巻き舌で裏声を出したり、ヴォイス・パフォーマーとして持てるあらゆるテクを駆使してアピール。するとゆっくり僕の方へ近寄ってきて、僕の舌を鳴らした音を真似しながら、ぐるぐると回転運動をはじめたのである。こうなればこっちのものだ。僕はその場で彼と声で即興セッションをはじめた。彼もいろいろな声で実に音楽的に応えてくる。タイミングをみて恐る恐るカゴに指を入れてる。すると黒いクチバシで噛んでくる。それは店員にしたような威嚇ではなく、甘えるような噛み方だった。その遠慮がちな力加減に、彼の心がほぐれて喜んでいるのが伝わってきた。

そのヨウムにとって、僕に飼われることが幸せなんじゃないかと思った。ストレスがなくなれば毛引きも治るかも知れない。しかし398,000円。買えるわけがない。ヨウムはまだまだ遊びたがっていたが、僕らは後ろ髪を引かれるように、その場を立ち去った。

今日は震度3以上の地震は観測されず。

Posted: 2月 17th, 2012
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16/02/2012/THU/四百十二日目

家から一歩も出ずに家でごろごろ。しばらくぶりに休みらしい休みをとる。

未明深夜、茨城県沖を震源に震度3。午後、北海道南西沖を震源に震度3、宮城県沖を震源に震度3。二日連続の完封。

Posted: 2月 16th, 2012
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15/02/2012/WED/四百十一日目

七生特別支援学校へ「アーティスト一日学校訪問」のための打ち合わせに出向く。生徒たちの様子を見学。今回は高校2年生の授業を担当する予定。すごく人懐っこい子もいれば、ひたすらゴーイングマイウェイな子もいる。特別授業の日が楽しみに。

ちび太が自分から頭に乗ってくるようになってきた。

午後、北海道渡島地方東部を震源に震度3、福島県沖を震源に震度3。今日は完封。

Posted: 2月 15th, 2012
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14/02/2012/TUE/四百十日目

東京都現代美術館の教育普及プログラム「アーティスト一日学校訪問」のため、都立葛西南高校で特別授業。

いつも観にきてくれるお客さんとはまったく違う、いわゆる「アート系」の共通認識や共通言語もたない高校生たちに、どれだけコアなものを伝えられるか、それが今回の勝負どころだった。僕が自分の「パ」を100万円で売ったことで、その音節を発声できなくなった経緯の説明にはじまり、ホーメイや数々の「パ」フォーマンスの実演に解説を交え、生徒たちにも実際に身体を使って参加してもらいながら、彼(女)らの感覚を開いていく。対象は高校2年生200人。110分の授業を2回。授業の終わりに質問を受け付けると、いくつか質問が出た後に、美術の先生からも質問をいただいた。

先生:「感覚を磨くためには、どのようにしたらいいでしょうか?」

僕:「うーん、そうですね…。たぶん、普段生活していて、理由もなく何かに惹かれることってあると思うんです。でも、その何かに惹かれているときの瞬間というは、とてもささやかなもので、多くの人がその瞬間をやり過ごしていると思うんですね。大切なのはきっと、そのささやかな瞬間をどれだけキャッチできるか…。なんて言うか、自分の周りを飛んでいる小さな虫を手でパッと捕まえるような感じで…、あっ!言っちゃった…」

地雷ワード:「パッと」、パ裂。

「おおおおぉ~!」と、一斉にどよめく高校生たち。

声を積極的に発することで、ヴォイス・「パ」フォーマンスが成立するならば、それを裏返して一つの音節を発声しないことでも声による「パ」フォーマンスが成立するのではないか、という冒頭での僕の問いかけに対し、「はぁ…」といった反応だった生徒たちも、このハプニングによって僕の言わんとすることがようやく腑に落ちたようだった。

帰宅して、ちび太をかごから出してやり、イランの古典声楽のCDをかける。イランの古典声楽には高度なこぶしの技術を駆使した「タハリール」という歌唱法がある。「タハリール」とは「うぐいすの声」という意味があるのだが、ペルシャの人々がこの「タハリール」唱法に込めてきた鳥の心に、ちび太の心もまた共鳴したのだろうか、実に楽しげにCDに合わせてさえずり出すちび太。僕も何だか楽しくなって、一緒に歌いたくなった。このときCDの歌のマネをして歌えば良いものを、ちび太があんまり可愛いので、思わずちび太の声を擬音語でマネて歌ってしまったのがまずかった。

僕:「♬ピッポッパッポッピッポッ!」

地雷ワード、「ピッポッパッポッピッポッ!(鳥のさえずり)」、パ裂。
28日連続の完封もここで途絶。1日で2回ものパ裂は久しぶりである。

昼、茨城県沖を震源に震度3。午後、茨城県沖を震源に震度3。夜、長野県北部を震源に震度4。

Posted: 2月 14th, 2012
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13/02/2012/MON/四百九日目

午前中、ちび太を「バーズ動物病院」へつれていく。

フンの検査をしたところ、この10日間、投薬治療をしたおかげで、前回検出されたメガバクテリアはいなくなっていた。オウム病の検査結果も陰性。まだくしゃみ、鼻水は続いているものの、人にも慣れはじめ、確実に快方に向かっている。投薬を続けながら様子をみることに。

帰宅後、ちび太にホーメイを聴かせて遊んでいるところへ一本の電話が。東京都現代美術館の池尻さんだった。

池尻さん:「山川さん…、今どこですか?」
僕:「え?家ですけど…」
池尻さん:「あの…、今日打ち合わせだったんですけど、憶えてますか?…」

年明けからほとんど休みなしで続いていた舞台の日々がやっと終わり、頭がぼーっとしていたのか、今日、打ち合わせが二本入っていたということを見事に忘れていた。一本目の打ち合わせはもう時間が過ぎていたので間に合わず。結果的にすっぽかすことになったが、二本目の打ち合わせには何とか間に合った。

震度3以上の地震は観測されず。28日連続の完封。

Posted: 2月 13th, 2012
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12/02/2012/SUN/四百八日目

舞台『金閣寺』大千秋楽。
「パ」ートナー、母、弟が三人揃って観劇にきてくれる。

2011年1月、横浜での初演から、松本、博多、名古屋、大阪、ニューヨーク、また大阪、そして東京と、通算で61公演やったことになるが、今日が本当に最後の最後である。初演のときも、ニューヨーク公演のときも、まったく緊張しなかったのだが、今日、はじめて緊張した。

終演後、キャストの皆さんと打ち上げ。お別れするときの、皆さんの目がきらきらとまるで星のようだった。

深夜、宮城県沖を震源に震度3。27日連続の完封。

Posted: 2月 12th, 2012
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11/02/2012/SAT/四百七日目

舞台『金閣寺』東京公演12日目。マチネとソワレ2公演。

マチネに「パ」ートナーのお兄さんが観にきてくれたのだが、冒頭の台詞を派手に噛んでしまう。

「き、きき、金閣…という…」

溝口より先に吃ってどうする、俺…。

もうこの舞台の上演も残りわずかだと思うと、自分の出番待ちのときも、皆さんのお芝居の一挙手一投足を、舞台の袖から目に焼き付けずにいられない。いくつかのシーンがあまりに素晴らしく、思わず目が潤んでしまった。

午前中、茨城県南部を震源に震度3。26日連続の完封。

Posted: 2月 11th, 2012
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10/02/2012/FRI/四百六日目

『金閣寺』東京公演11日目。
2010年の冬から稽古がはじまり、足掛け3年続けてきたこの舞台も、残すところあと2日。終演後、キャスト、スタッフの皆さんと打ち上げ。

朝、宮城県中部を震源に震度3。昼、秋田県内陸北部を震源に震度3。25日連続の完封。

Posted: 2月 10th, 2012
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09/02/2012/THU/四百五日目

明け方、やっとレポートの採点を終えて、少し仮眠をとり、劇場へ。今日は『金閣寺』東京公演10日目。マチネとソワレ2回公演。

帰宅して疲れた体に染み入る音楽をと、グレゴリオ聖歌をかけてみると。ちび太がいたく気に入ったらしく、その調べにあわせてずっと「きゅるきゅる」とさえずっていた。

昼、宮崎県日向灘を震源に震度3、伊豆半島東方沖を震源に震度3。24日連続の完封。

Posted: 2月 9th, 2012
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08/02/2012/WED/四百四日目

朝になっても採点は終わらず。午前中、エアコンの設置工事に電気屋がくるも、その工事の傍らでひたすら馬車馬のようにレポートの採点…。

今日は舞台『金閣寺』の休演日。だいぶ前から「パ」ートナーと鳥類専門のペットショップへ鳥を見にいくというデートの約束をしていた。徹夜で寝ていない上に、まだまだ採点も終わっていなかったが、「パ」ートナーがどんなに鳥たちに会いにいくのを楽しみにしていたか、よく分っていたので、ちょっと無理をして上野のインコ・オウム専門店「こんぱまる」へ車を飛ばす。

水彩画のような羽色が息をのむほど美しいワカケホンセイインコ。ひょうきんな動きが愛くるしいゴシキセイガイインコ。人間に糞をかけてくる生意気なコシジロインコ。ミッキーマウスマーチをムーグシンセサイザーのように歌うオカメインコ。インコ・オウム界の王様さながらのオオバタン。ロバート・ルイス・スチーブンソンの『宝島』から抜け出てきたかのようなコンゴウインコ。人間の赤ちゃんのような声で甘えるソロモンオウム。そして僕らの一番のお目当て、オウム目の中で最も知能が高いといわれる、おしゃべりの天才、ヨウム…。

何羽かヨウムの赤ちゃんを抱かせてもらう。一羽、198,000円。これでも他のペットショップと比べると、かなり良心的な金額なのだが、うちの仔、ちび太(セキセイインコ)のちょうど100羽分の金額か…、と思うと、なんだか複雑な気分に。

帰宅して再び採点を続ける。採点地獄…。眠い…。

朝、茨城県沖を震源に震度4。夜、新潟県佐渡付近を震源に震度5強、茨城県沖を震源に震度3。23日連続の完封。

Posted: 2月 8th, 2012
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07/02/2012/TUE/四百三日目

『金閣寺』東京公演9日目。

帰宅後、多摩美の担当講義のレポートを採点する。400名近い履修者がいるマンモス講義なので、提出されたレポートの山を前にして思わず気が遠くなったが、気を取り直し、連日の舞台で疲労した体に鞭打ちながら、徹夜で採点。

震度3以上の地震は観測されず。22日連続の完封。

Posted: 2月 7th, 2012
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06/02/2012/MON/四百二日目

昼は東京都現代美術館の教育支援プロジェクト「アーティストの1日学校訪問」で訪れる予定の、都立葛西南高校へ打ち合わせに出向く。夜は舞台『金閣寺』本番。

昨日に引き続きまた、朝、茨城県沖を震源に震度3。21日連続の完封。

Posted: 2月 6th, 2012
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05/02/2012/SUN/四百一日目

『金閣寺』東京公演8日目。夜は弟と呑み交わす。

朝、茨城県沖を震源に震度3。20日連続の完封。

Posted: 2月 5th, 2012
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04/02/2012/SAT/四百日目

『金閣寺』東京公演7日目。マチネとソワレの2公演。

震度3以上の地震は観測されず。19日連続の完封。

Posted: 2月 4th, 2012
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03/02/2012/FRI/三百九十九日目

『金閣寺』本番前に、ちび太を動物病院へ連れて行く。

やはりほとんどの動物病院は犬猫メインで、鳥に詳しくない獣医が片手間に鳥を診療しているケースが多いらしい。やはり鳥は鳥のエキスパートに診てもらわねばということで、いろいろ調べたところ、車で20分ほどのところに良さそうな動物病院を見つけた。その名も「バーズ動物病院」。その院名が示しているように、ここの先生は素晴らしい。飼い主に対して丁寧に説明してくれるし、鳥のホールディングの仕方からして1月24日に行った動物病院とはぜんぜん違う。

フンの検査と、そ嚢検査をしてもらったところ、すぐにフンからメガバクテリア(AGY)が見つかった。フン切れの悪さはこのメガバクテリアが原因だろうとのこと。しかしこのメガバクテリアは消化器系に悪さをするウィルスで、くしゃみ鼻水の原因は他に考えられるという。とりあえず一通り検査をしてもらおうと思い、オウム病(クラミジア)の検査もお願いした。検査結果は後日になるとのこと。

本日、ちび太の診療にかかったお金…
初診料:1200円
便・そ嚢検査:500円
クラミジア(オウム病)検査:7500円
内服薬代:2000円
消費税:560円
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合計:11,760円ナリ。

1,980円で買ったインコの治療費として11,760円支払うというのは、もしかしたら割に合わないことなのかも知れない。しかし僕はこの1,980円の命が、少しでも活き活きとこの世に存在し続けるためならば、幾らでも払ってやる…そんな気持ちになっている。これはつまり、僕にとって、ちび太の命は1,980円という額面を遥かに超えた価値を持っているということだ。飴屋さんも著書『キミは獣と暮らせるか?』で近いことを書いていたと思うのだが、本来値段のつけようがないものに、値段をつけて売買されているという点で、ペットマーケットとアートマーケットはどこか似ている。

共同通信のニュースによれば福島原発の周辺で鳥の数が減少しているとのこと。

今日は震度3以上の地震はどこにもなかった。18日連続の完封。

Posted: 2月 3rd, 2012
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02/02/2012/THU/三百九十八日目

『金閣寺』東京公演六日目。マチネとソワレの2公演。

ちび太が地鳴きに近い声で「ぎょぎょぎょっ」と鳴く。どうやら「パ」ートナーの下手くそな鳥のさえずりのマネを、マネているようだ。依然としてくしゃみ、鼻水、フン切れの悪さが改善されないので、明日、鳥の専門医のいる動物病院へ連れて行くことにした。

珍しく今日は震度3を超える地震はどこにも起きず。今日は完封。17日連続。

Posted: 2月 2nd, 2012
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01/02/2012/WED/三百九十七日目

舞台『金閣寺』は休演日。

朝、新幹線で京都へ。精華町にあるATR(国際電気通信基礎技術研究所)へ赴く。ATRとは音声言語コミュニケーション研究所、脳情報研究所、知能ロボティクス研究所など8つの研究所からなる大規模な研究所である。今回は九州大学の鏑木先生とその学生である上江洲さんの研究の一貫として、そのATRにある三次元MRIを使って「ホーメイ発声時の声道撮影実験」の被験者になってもらえないかという依頼をいただいたのだった。

僕は以前、発声時の自分の声帯をどうしても見てみたくて、安価な工業用内視鏡を無茶して喉に突っ込み、テレビモニタに映し出してみたことがあるくらいである。最先端のハイテク医療機器を使った実験に携われるなんて、と被験者になることを喜んで引き受けた。

しかし3次元MRIというのはすごい。最先端の技術に興奮しきり。MRIはレントゲンのように被曝はしない。ただし強い電磁波が出る。その電磁波が身体に与える影響は未知の部分が多いのだとか。電磁波で金属類は熱を持つとのことで、どんな小さな金属もMRI室には一切持ち込めなかった。まるで大きな電子レンジの中で調理されるような気分。

MRIは横になった姿勢で撮影するのだが、寝たままの固定された姿勢での発声というのは、声帯にかかる重力が変化するので、思いのほかホーメイに影響が出るようだ。歌声にも重力は大きく関係しているということだ。そういえばジョン・レノンはホワイトアルバムに収録されている『レボリューション1』のヴォーカルを、スタジオの床に寝転がってレコーディングしたのだったっけ。

実験を終えて、帰り道、九州大学の鏑木先生とインコやキュウカンチョウといった喋る鳥の発声メカニズムの話題で盛り上がる。インコは「パ」行の音が好きで、まず最初に「パ」行ではじまる言葉から憶えさせると良いとよく言われるが、人間が上下の唇を破裂させて発声する、この両唇破裂無声子音「p」を、インコはまったく違うメカニズムで発声するのだとか。

帰宅すると、ちび太がさらにごにょごにょ、ぼそぼそ、独り言を言うようになっていた。しかし以前として鼻水、くしゃみ、フン切れの悪さは改善されず。

今日は完封。
沖縄県宮古島近海で震度3。

Posted: 2月 1st, 2012
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