01/02/2012/WED/三百九十七日目

舞台『金閣寺』は休演日。

朝、新幹線で京都へ。精華町にあるATR(国際電気通信基礎技術研究所)へ赴く。ATRとは音声言語コミュニケーション研究所、脳情報研究所、知能ロボティクス研究所など8つの研究所からなる大規模な研究所である。今回は九州大学の鏑木先生とその学生である上江洲さんの研究の一貫として、そのATRにある三次元MRIを使って「ホーメイ発声時の声道撮影実験」の被験者になってもらえないかという依頼をいただいたのだった。

僕は以前、発声時の自分の声帯をどうしても見てみたくて、安価な工業用内視鏡を無茶して喉に突っ込み、テレビモニタに映し出してみたことがあるくらいである。最先端のハイテク医療機器を使った実験に携われるなんて、と被験者になることを喜んで引き受けた。

しかし3次元MRIというのはすごい。最先端の技術に興奮しきり。MRIはレントゲンのように被曝はしない。ただし強い電磁波が出る。その電磁波が身体に与える影響は未知の部分が多いのだとか。電磁波で金属類は熱を持つとのことで、どんな小さな金属もMRI室には一切持ち込めなかった。まるで大きな電子レンジの中で調理されるような気分。

MRIは横になった姿勢で撮影するのだが、寝たままの固定された姿勢での発声というのは、声帯にかかる重力が変化するので、思いのほかホーメイに影響が出るようだ。歌声にも重力は大きく関係しているということだ。そういえばジョン・レノンはホワイトアルバムに収録されている『レボリューション1』のヴォーカルを、スタジオの床に寝転がってレコーディングしたのだったっけ。

実験を終えて、帰り道、九州大学の鏑木先生とインコやキュウカンチョウといった喋る鳥の発声メカニズムの話題で盛り上がる。インコは「パ」行の音が好きで、まず最初に「パ」行ではじまる言葉から憶えさせると良いとよく言われるが、人間が上下の唇を破裂させて発声する、この両唇破裂無声子音「p」を、インコはまったく違うメカニズムで発声するのだとか。

帰宅すると、ちび太がさらにごにょごにょ、ぼそぼそ、独り言を言うようになっていた。しかし以前として鼻水、くしゃみ、フン切れの悪さは改善されず。

今日は完封。
沖縄県宮古島近海で震度3。

Posted: 2月 1st, 2012
Categories: パ日誌
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