News for 5月 2011

31/05/2011/TUE/百四十八日目

岩手で震度4。茨城で震度3。

芸大で授業の日。

学生からビデオフォーマットの変換について質問を受けた際、思わず口が滑った。

僕:「HDで撮影しても、DVDに焼いちゃったら結局解像度はロクヨン・ヨンパチになるから…」

地雷ワード、「ロクヨン・ヨンパチ」、パ裂。

「ロクヨン・ヨンパチ」とは、SD画質(640×480ピクセル)の映像の俗称。 しかし実際のDVDの解像度は640×480ピクセルではなく、720×480ピクセルだったことを、後になって思い出したのだった。教員失格…。

ここまでの成績…
積算上演日数:588(+1)
終演まで:437(±0)
終演見込み日:2012年8月10日(+1)

Posted: 5月 31st, 2011
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30/05/2011/MON/百四十七日目

多摩美で授業。

そして今日のニュース…
東京電力が福島第一原「パ」ツで作業していた男性社員二人が数百ミリシーベルトの放射線を浴びていた恐れがあると発表した。5月23日に体内の放射線物質の量を詳しく調べたところ、甲状腺からそれぞれ9760ベクレル、7690ベクレルのヨウ素131が確認されたという。吸い込んだのが地震直後だとすると、半減期を勘定にいれて逆算すると被曝量は数百ミリシーベルトになるというが、急性症状が出る1千ミリシーベルトの被曝までには至らなそうだという。

そして今日は完封。

ここまでの成績…
積算上演日数:587(±0)
終演まで:437(-1)
終演見込み日:2012年8月9日(±0)

Posted: 5月 30th, 2011
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29/05/2011/SUN/百四十六日目

薩摩半島で震度3。

「パ」ートナーの誕生日。

今日は完封。

ここまでの成績…
積算上演日数:587(±0)
終演まで:438(-1)
終演見込み日:2012年8月9日(±0)

Posted: 5月 29th, 2011
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28/05/2011/SAT/百四十五日目

新潟、岩手、千葉、茨城で震度3。

「パ」ートナーの誕生日を前日に控え、一緒に表参道ヒルズのアクセサリーショップへ。サン=テグジュペリの言葉があしらわれた18金のネックレスを買って、その場で首にかけてやる。

「パ」ートナーの首には、既に4月24日に買ってやった黒ダイヤの十字架のネックレスがかけられているのだが、彼女によればネックレスを2連がけするのが可愛いのだとか。

車のサンバイザーの鏡で、首もとを何度も確認しては子供のようにはしゃぐ「パ」ートナーを助手席に、国道246を運転して帰宅。

“Le plus important est invisible”

今日は完封。

ここまでの成績…
積算上演日数:587(±0)
終演まで:439(-1)
終演見込み日:2012年8月9日(±0)

Posted: 5月 28th, 2011
Categories: パ日誌
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27/05/2011/FRI/百四十四日目

昼、福島で震度4。夕方、再び福島で震度4。夜、山形で震度4。

東京芸大大学院映像研究科メディア映像先攻で、講評会。
課題はラジオドラマを制作し、発電しながら発信するという内容。

先のエジプトとチュニジアの革命で、インターネットが市民の抵抗のためのツールとして大きな役割を果たしたことは記憶に新しいが、まだネットの普及していない1989年の東欧において、市民の抵抗のツールとなったのは無線電波だった。革命において自立と自由を勝ち取ろうとする人々は、発信機と自転車発電機を自作し、自分たちによる放送を自分たちの力で発電した電気で発信し続けたという。

だから革命状態にある今の日本において、もともとラジオドラマ・コンテンツを制作することを目的としていたこの課題に、急遽「発電」と「発信」というテーマが加えられたのは自然な流れだったのだと思う。さらに言えば、これは教員から学生に一方的に与えられる大学の課題というよりも、この現状に対し、インディペンデントな表現者としてどうレスポンスすべきかを問い、共に考えるための一つの試みだったと僕は思っている。

実際に発表された作品はというと、「発電」と「発信」というテーマが加わったことで、課題としてのハードルが上がったものの、ラジオドラマ的なナラティヴィティが、パフォーマンス的、インスタレーション的に展開された作品が出て来て面白かった。

そのうちの一つ、展示されている家電がそれぞれモノローグを語りはじめるという作品の講評の際、僕は作品を照らす照明のことがどうしても気になっていた…。

僕:「うーん、照明がイマイチだな。例えば家電が語りはじめるときにパッとスポットがあたるとかさ…」

地雷ワード「パッと」パ裂。

擬態語として「パッと」と口を滑らせたのは今年に入って3回目。

ここまでの成績…
積算上演日数:565日(+1)
終演まで:418日(±0)
終演見込み日:2012年7月18日(+1)

しかし日誌の更新が滞ったため(7/12~8/3)、罰則として22日間上演期間延長。
積算上演日数:587日
終演まで:440日
終演見込み日:2012年8月9日

Posted: 5月 27th, 2011
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26/05/2011/THU/百四十三日目

朝、宮城で震度3。昼、千葉で震度3。夜、茨城で損度4。福島で震度3。

「進化」について「パ」ートナーと語り合う。
話は文明の進化から、いつしか霊長類の生物学的進化にまで及んでいった。

僕が話したのは、ざっと下記のような内容だ。

ヒトの言語の獲得には、体の構造的な要因が絡んでいると以前、本で読んだことがある。その本によれば、ぼくらホモ・サピエンスの祖先の声帯は、進化の過程でどんどん位置が下がっていったそうだ。その結果、喉と口腔に空間的ゆとりをがうまれ、舌の自由が獲得されたことで、より複雑な音響をつくることが可能となったとか。そしてその複雑な音響が、共同体の中で意味に結びついたとき、言語が生まれたというのだ。
同じヒト科でもチンパンジーは、声帯の位置が高く、複雑な音響をつくることができないらしい。チンパンジーはかなりのところまで人間の言葉を理解するというし、非常に高い知能を持っているものの、その発声器官の物理的条件から、豊かな音響表現ができなかったため、独自の言語を獲得するに至らなかったのだとか。

「パ」ートナーはサルが嫌いだという。「キーキー」とヒステリックなところが怖くて嫌なのだとか。とりわけチンパンジーに対しては厳しい。かくいうぼくもその気持ちが分からないでもない。これはある種の近親憎悪なのだろうか。しかしあまりにチンパンジーに辛くあたるので、思わず言う。

ぼく:「たしかに怒るとすごく凶暴だって聞いたことがあるけど、でもチンパンジーだって生き物なんだから、そんなに嫌ったら可哀想だよ」

地雷ワード、「チンパンジー」、パ裂。

ここまでの成績…
積算上演日数:562日(+1)
終演まで:416日(±0)
終演見込み日:2012年7月15日(+1)

さらに、日誌の更新が二日滞ったため(7/9、7/10)、罰則として上演日数を二日延長。
積算上演日数:564日
終演まで:418日
終演見込み日:2012年7月17日

Posted: 5月 26th, 2011
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25/05/2011/WED/百四十二日目

早朝、福島で震度5強。夜、茨城で震度3。福島で震度3。

多摩美で授業

六日連続の完封。

ここまでの成績…
積算上演日数:561日(±0)
終演まで:416日(-1)
終演見込み日:2012年7月14日(±0)

Posted: 5月 25th, 2011
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24/05/2011/TUE/百四十一日目

昼、三陸で震度3。夜、茨城で震度3。

芸大取手で授業。

ぼくの勤務地は見事にホットスポットになっていた…。

衆院茨城三区選出の小泉俊明国土交通政務官による先週のブログ記事によると、独自に取手周辺の放射線量測定した結果、非常に高い値が検出されたという。取手市では最高で0.484μSv/h。守谷市では0.503μSv/hを記録。取手市には南相馬からたくさんの人が避難してきているというのに…。

ショック。

五日連続の完封。

ここまでの成績…
積算上演日数:561日(±0)
終演まで:417日(-1)
終演見込み日:2012年7月14日(±0)

Posted: 5月 24th, 2011
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23/05/2011/MON/百四十日目

多摩美で授業。

四日連続の完封。

ここまでの成績…
積算上演日数:561日(±0)
終演まで:418日(-1)
終演見込み日:2012年7月14日(±0)

Posted: 5月 23rd, 2011
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22/05/2011/SUN/百三十九日目

千葉県で震度4。福島、茨城で震度3。

一日中、アトリエで作業。

三日連続の完封。

ここまでの成績…
積算上演日数:561日(±0)
終演まで:419日(-1)
終演見込み日:2012年7月14日(±0)

Posted: 5月 22nd, 2011
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21/05/2011/SAT/百三十八日目

日付変わってすぐに神奈川で震度3。昼と夜に福島で震度3。

アトリエで作業。

国際ニュースによれば、ニューヨークでは本日2011年5月21日で地球が破滅するという予言が人々の間で広まっているという。街角のいたるところでキリスト教信者がキリストの再臨に伴い大地震が起こると説いているとのこと。

しかし幸いにして何も起こらず。

二日連続の完封。

ここまでの成績…
積算上演日数:561日(±0)
終演まで:420日
(-1)
終演見込み日:2012年7月14日(±0)

Posted: 5月 21st, 2011
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20/05/2011/FRI/百三十七日目

福島で震度4。茨城で震度4。

昨日に引き続き、芸大大学院映像研究科で授業。
震災の影響で今年度は授業開始が遅れた分、そのしわ寄せで前期は週五日での大学勤務が続く…。

今日は完封。

ここまでの成績…
積算上演日数:559日(±0)
終演まで:419日(-1)
終演見込み日:2012年7月12日(±0)

しかし日誌の更新が滞ったので(7/4、7/5)、罰則として上演日数を2日延長。
積算上演日数:561日
終演まで:421日
終演見込み日:2012年7月14日

Posted: 5月 20th, 2011
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19/05/2011/THU/百三十六日目

茨城で震度3。宮城で震度3。

桂英史さんの誘いで、芸大大学院映像研究科メディア映像専攻にて、特別講師として4日間の授業を担当することになり、今日からスタート。ラジオドラマを制作し、それを発電しながら発信するという内容の課題を出題。

授業終了後、研究室で雑談していたときのことである。ふと研究室の机の上にあった横浜美術館のチラシに目がいった。「東日本大震災復興支援 ジャイアント・タンポポ・プロジェクト」と書いてある。長谷川潔という銅版画家の展示に関連したプロジェクトらしい。

「ジャイアント・タンポポ」という言葉でぼくが真っ先にイメージしたのは、スリーマイル島の原「パ」ツ事故のときに、放射能の影響で巨大化したと言われるタンポポのことだった。これは後で知ったのだが、タンポポにはなんでも「ジャイアント・タンポポ」という品種があるそうで、このチラシの「ジャイアント・タンポポ・プロジェクト」というタイトルは、長谷川潔がモチーフとしてこのジャイアント・タンポポを好んで描いたことから名付けられたらしい。しかし放射能が差し迫った恐怖として日常化している今、このタイトルにゴジラよろしく放射能で病的に巨大化したという、あのスリーマイルのタンポポのことを思い出したのは、ぼくだけではないだろう。しかしいくらなんでも”東日本大震災復興支援”でこれはシャレにならないのではないか…。

思わず研究室にいた学生に言う。

ぼく:「えっ?!この”ジャイアント・タンポポ”って、スリーマイルで巨大化したあのタンポポのこと? それとも”ジャイアント・タンポポ”っていうタンポポの種類があるのかな?”ジャイアント・パンダ”みたいに?(笑)」

地雷ワード、「ジャイアント・パンダ」、パ裂。

ここまでの成績…
積算上演日数:559日(+1)
終演まで:420日(±0)
終演見込み日:2012年7月12日(+1)

Posted: 5月 19th, 2011
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18/05/2011/WED/百三十五日目

福島で震度4。

多摩美で授業。

今日は完封。

ここまでの成績…
積算上演日数:558日(±0)
終演まで:420日(-1)
終演見込み日:2012年7月11日(±0)

Posted: 5月 18th, 2011
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17/05/2011/TUE/百三十四日目

日付変わってすぐに福島で震度4。朝、再び福島で震度3。夜、茨城で震度3。

芸大で授業。
撮影スタジオで人物撮影の実習。

照明をあてた時の肌のテカリを抑えるために、プレストパウダーがないので、ベビーパウダーで代用する。

ぼく:「こんな風に照明で肌がテカって気になるときは、ベビーパウダーをちょっと使ってやると…ほら抑えられるでしょ…」

地雷ワード、「ベビーパウダー」、パ裂。

ここまでの成績…
積算上演日数:558日(+1)
終演まで:421日(±0)
終演見込み日:2012年7月11日(+1)

Posted: 5月 17th, 2011
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16/05/2011/MON/百三十三日目

宮城で震度3。

多摩美で授業。その後、芸大取手校地へ。

今日は完封。

ここまでの成績

積算上演日数:557(±0)

終演まで:421(-1)

終演見込み日:2012710(±0)

Posted: 5月 16th, 2011
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15/05/2011/SUN/百三十二日目

日付変わってすぐに福島で震度3。朝、根室半島、福島で震度3。昼、再び福島で震度3。さらに夜も福島で震度3。

原「パ」ツ事故の影響で、福島県南相馬市から茨城県取手の施設に避難してきている人たちと芸大関係者の交流会が、芸大取手キャンパスで催された。

これは南相馬の人々を追ったドキュメンタリーを制作中の芸大2年生、竹内君が企画したもので、そもそもカジュアルにサッカーとバーベキューで楽しもうという趣旨だったのだが、いつの間にか話が大きくなり、交流会には新聞記者やお笑いタレントのホンジャマカの石塚英彦氏の姿も。

快晴の空の下でサッカーを楽しみ、バーベキューを食した後、木陰で南相馬の方々と雑談。

看護士を勤めていた若いお母さんの、震災直後の病院での壮絶な逸話に言葉を失う…。
そして福島原「パ」ツで作業員として働いていたおじさんによる貴重な当事者の話…。
圧倒的な歴史の目撃者の証言を前に、何が言えよう。

決して美化したいわけではないが、南相馬の人々は美しかった。
その澄んだ目が、ことばの訛りが、ひかえめな声がとても美しかった。
ぼくはただ、その目をまっすぐ見つめ、そのことばと声に耳を傾けながら、ただただうなずくことしかできなかった。

交流会の最後の閉めとして、最後にホーメイを披露。感謝を込めて歌う。
喜んでもらえただろうか。

原「パ」ツ作業員のおじさんと雑談しながらも、「パ」と口走らず、完封。

ここまでの成績…
積算上演日数:557日(±0)
終演まで:422日(-1)
終演見込み日:2012年7月10日(±0)

Posted: 5月 15th, 2011
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14/05/2011/SAT/百三十一日目

福島で震度4。茨城で震度3。

福島第一原「パ」ツで60歳代の男性作業員が、機材搬送中に意識不明となり、病院に搬送されたが、間もなく死亡。男性は防護服を着ており、被曝量は0.17ミリ・シーベルトで、身体に放射線物質の付着はなかったという。死因は不明とのこと。

『身を捨つるほどの祖国はありや』という寺山修司の言葉が頭を巡る。

今日は完封。

ここまでの成績…
積算上演日数:557日(±0)
終演まで:423日(-1)
終演見込み日:2012年7月10日(±0)

Posted: 5月 14th, 2011
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13/05/2011/FRI/百三十日目

岩手で震度3。茨城で震度3。

芸大での授業中。

教室のコンピューターに学生用のアカウントをつくり、ログイン方法について説明している時のこと…。

ぼく:「パスワードは、ぼくの名字、全部小文字で”yamakawa”にしといたから…」

地雷ワード、「パスワード」、パ裂。

5月6日にあった菅首相からの要請の通り、中部電力が浜岡原「パ」ツ4号機を停止させた。

ここまでの成績…
積算上演日数:556日(+1)
終演まで:423日(±0)
終演見込み日:2012年7月9日(+1)

さらに、更新が一日滞ったので(6/29)、罰則として上演期間一日延長。
積算上演日数:557日
終演まで:424日
終演見込み日:2012年7月10日

Posted: 5月 13th, 2011
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12/05/2011/THU/百二十九日目

宮城で震度3。和歌山で震度3。

雨。芸大で授業。

母からメールが届く…

件名:原発
コントロール出来ていると言われていた1号機の燃料棒が溶けているらしいです。この事で「再臨界」の危険が出て来ました。神奈川県足柄茶に基準値以上の放射能が検出されました。全てに楽観できませんね。今後静岡のお茶も要注意です。これからは宇治茶、九州のお茶にします。君はお茶は買わないで下さいね。私が安全なお茶を買ってきますから。

…一方で東京新聞には、「”電力不足”は東京電力と経済産業庁によるプロパガンダだ」との内容の記事が掲載されていた。あの3月の計画停電は、国民に「原「パ」ツがないと電力不足になる」と刷り込むための茶番だったのか???。

6日連続の完封。

積算上演日数:555日(±0)
終演まで:423日(-1)
終演見込み日:2012年7月8日(±0)

Posted: 5月 12th, 2011
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11/05/2011/WED/百二十八日目

福島で震度3。千葉で震度3。宮城で震度3。

今日、昨年から一年間にわたり公開されていた「The Voice-over」のバラしが終わり、美術館の収蔵庫へ収められた。

形をもった作品とは不思議なものだ。
それはつくった当人の胸からえぐり出されてもなお、ずっと自律して鼓動を続ける心臓のようだ。
一度この胸からえぐり出された心臓は、もはや自分のものではないのだと痛感する。

作品が収蔵庫に収められるときになって気がついた。
ぼくは死んだ父を作品として形にすることで、永遠に生かしてしまったのだと。
とんでもないことをしてしまったのかも知れないと、少し怖くなった。

今日で震災から二ヶ月。スペイン南東部でマグニチュード5.1の地震があり、震源に近いムルシア自治州ロルカ(人口約8万人)では建物の倒壊などによって8人が死亡。ローマや台湾では大地震がくるとの噂が広がり、パニックが起きたというが、実際に地震が起きたのはスペインだった。

5日連続の完封。

積算上演日数:555日(±0)
終演まで:424日(-1)
終演見込み日:2012年7月8日(±0)

Posted: 5月 11th, 2011
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10/05/2011/TUE/百二十七日目

朝、茨城で震度4。夜、再び茨城で震度3。深夜、和歌山で震度4。

芸大で授業。
昼休みは大学から車で10分ほど走ったところにある、白鳥が棲む秘密の沼へ。
去年はまだ灰色がかっていたヒナたちは、もうすっかり立派な白鳥になっていた。

4日連続の完封。

積算上演日数:555日(±0)
終演まで:425日(-1)
終演見込み日:2012年7月8日(±0)

Posted: 5月 10th, 2011
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09/05/2011/MON/百二十六日目

茨城で震度3。

多摩美で授業。

三日連続の完封。

積算上演日数:555日(±0)
終演まで:426日(-1)
終演見込み日:2012年7月8日(±0)

Posted: 5月 9th, 2011
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08/05/2011/SUN/百二十五日目

早朝、岩手で震度4。朝、福島で震度3。昼、福島で再び震度3。夜、三たび福島で震度3。

昨年の4月から東京都現代美術館の常設展示室で公開されてきた作品『The Voice-over』の公開最終日。作品は明日以降バラされ、しばらく収蔵庫で眠ることとなる。

夜は実家へ母に会いにいく。母の日の贈り物として、コチョウランをプレゼント。

二日連続の完封。

積算上演日数:555日(±0)
終演まで:427日(-1)
終演見込み日:2012年7月8日(±0)

Posted: 5月 8th, 2011
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07/05/2011/SAT/百二十四日目

昼、福島で震度4。夜、和歌山で震度3。

渋谷で脱原「パ」ツデモに参加。

もちろん、シュプレヒコールには参加できず、黙々と歩く。

したがって今日は完封。

ここまでの成績…。

積算上演日数:555日(±0)
終演まで:428日(-1)
終演見込み日:2012年7月8日(±0)

Posted: 5月 7th, 2011
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06/05/2011/FRI/百二十三日目

未明、福島で震度5弱。朝、福島で震度3。昼、岩手で震度3。夕方、佐渡、宮城で震度3。夜、秋田で震度3。

芸大で授業。

授業中、何かの拍子に、「パっと見たときに…」と口を滑らせる。

地雷ワード、「パっと」、パ裂。

夜、母よりメールが届く。

件名:ニュース
今、管総理が浜岡原発を全炉運転停止を要請しました!! 文科省の予想では今後30年以内にM8以上の地震が起こる可能性が87%と高い確率が理由です。 英断に拍手ですね。 (2011/05/06/ 22:09)

ここまでの成績…
積算上演日数:554日(+1)
終演まで:428日(±0)
終演見込み日:2012年7月7日(+1)

さらに更新が一日滞ったので(6/26)、罰則として上演日数1日加算。
積算上演日数:555日
終演まで:429日
終演見込み日:2012年7月8日

Posted: 5月 6th, 2011
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05/05/2011/THU/百二十二日目

未明、静岡で震度3。夜、茨城で震度3。

屋久島滞在最後の日。

朝6時から白谷雲水峡をトレッキング。

岩という岩、木の幹という幹まで、およそ視界に入るもののすべてが苔に覆われている。これほどまで視界が緑色の光に支配されたのははじめてだ。網膜を通して水分が浸透してくるような感覚。「パ」ートナーはというと、大真面目に「木霊」を探している。「木霊」とは映画「もののけ姫」に登場する木の精霊で、ここ白谷雲水峡は「もののけ姫」のモデルになったそうである。

2時間ほど歩いて太鼓岩までたどり着き、雲海を下に望みながら弁当を食して下山、港へ。フェリーに乗船。

鹿児島港が近づくにつれて、だんだんと意識が自然から社会へと向いてくる。帰りのフェリーで「パ」ートナーと話していたときのこと。アメリカ軍によるビン・ラディン殺害の話題になった。ビン・ラディンはパキスタンに潜伏していたとのことだが、アメリカはパキスタン政府に事前通告なしに殺害作戦を実行したらしい。これはパキスタンへの主権侵害ではないのか?。しかもビン・ラディンは911テロの”容疑者”とされるが、ならば裁判にかけずにいきなり「殺害」するというのは国際法に抵触するのではないか?

ぼく:「勝手にパキスタンに押し入ってさぁ、裁判にもかけずに殺すなんてあり得ない話だよね…」

地雷ワード、「パキスタン」、パ裂。

鹿児島港に着くと桜島の火山灰が目に染みた。東京へ帰っても、山によって覚醒された感覚が収まらない。すぐにでも山に戻りたい。

ここまでの成績…
積算上演日数:553日(+1)
終演まで:428日(±0)
終演見込み日:2012年7月6日(+1)

Posted: 5月 5th, 2011
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04/05/2011/WED/百二十一日目

昼、青森県で震度3。夜、茨城で震度3。

自分の寿命を遥かに超越した時間を、ぼくたちはどう受け止めればいいのだろう…。

政府の地震調査委員会の阿部委員長は、今回の地震について「千年に1回起きるかという巨大地震だ」と語った。

福島原「パ」ツを設計したある設計者の証言によれば、原「パ」ツ設計の際、今回東北地方を襲ったような規模の大津波や、マグニチュード9クラスの地震を想定すべきだと上司に進言したものの、その上司に「千年に一度とか、そんなこと想定してどうなる」と、一笑に伏されたという。

また、原子力安全委員会班目委員長は、千年に一度の震災は想定外であり、原「パ」ツの設計をするにはそのような想定外のリスクは「割り切らなければ設計はできない」と発言した。

ぼくたちの生きている社会システムでは、千年単位の尺度でものごとを考えることは、効率性や合理性を欠いた妄想として切り捨てられ、目先の利益/損失が何より優先されていくようだ。ここでは「千年に一度」という確率は、非現実的なものとして扱われている。

しかし”千年の一度”の震災によって引き起こされた原「パ」ツ事故は、ぼくたちに、目先の効率性や合理性だけにとらわれるな、千年単位の尺度でものごとを考えよ、と訴えかけているように感じられる。確かに「千年」という大きな時間を現実的に捉えるのは難しい。「千年」という言葉には、時間的なエキゾチズムとでもいおうか、何か幻想的な響きすら感じられる。しかし考えてみよう。原「パ」ツの寿命はだいたい40年と言われているが、40年の間に千年の一度の地震が起こる確率は、40/1000=1/25。こう考えると、千年という時間に幻想を抱いている場合ではなくなってくる。原子力という大きな力を扱う以上、「千年」という大きな時間は、ぼくら自身の存続に関わる、きわめてリアルな時間感覚として捉えなければならないだろう。

しかし、現実はもっと果てしない。千年という年数などまだまだ生温いからだ。既に飛散しているプルトニウム239の半減期は二万四千年。飛散したと噂されているヨウ素129に至っては1570万年。これらの高レベル放射性廃棄物を処分するにはガラスで固めて、臭いものには蓋をしろとばかりに、半永久的に地中深く埋めておく以外に手だてがない。高レベル放射性廃棄物が安全な状態になる日を待つことは、弥勒菩薩が下生する日を待つことに等しい。地中深く埋められているならまだしも、今回汚染されてしまった土地はどうなるのだろう。そこで人が安全に暮らせる日が来るのは、一体いつになるのだろう。

来るべき未来には、夢を持って生きていたい。しかし震災と原「パ」ツ事故は、汚れた現実として、耐えきれないほどの重さの「大きな時間」をぼくたちに背負わせた。

この重圧から逃避することもできなくもない。感覚と思考を麻痺させて、先に書いた福島原「パ」ツの設計者の上司のように「大きな時間」など非現実的な妄想だと、一笑に伏してしまえばいい。

しかしそれはぼくにはできない。以前の日常感覚へ戻ることに対する、嫌悪感のような気持ちがそうさせない。…だからだろう。ぼくが屋久島へ来ようと思い立ったのは。

早朝4時に起き、まだ暗い内にキャンプ場を後にして、荒川登山口へ。「パ」ートナーと二人で原生の森の山道をいざ、出発。
夜が明ける。天から降り注ぐ朝日が森を目覚めさせる。
澄んだ緑色の光が網膜に染み入り、瑞々しい空気が肺に流れ込んでくる。
ぼくたちは時々渓谷の水で喉を潤しながら、ひたすら森の奥へと進んだ。
5時間ほど歩いた頃だろうか。辺りを霧が包みはじめたかと思うと、微細な水蒸気の粒は雨のしずくへと変わっていった。億単位を数えるであろう雨のしずくが、葉を、枝を、岩を、苔を、一斉に打つと、音の粒が生まれ、森を満たすそのコーラスの中を、千年以上の時間を生きてきた巨木たちが、悠然とそびえ立っていた。

「あらゆる存在をつらぬいてひとつの空間,リルケが世界内部空間と呼んだ不可視の空間があり,樹は,その存在を人間に予感させる唯一のものである」武満徹

ここは生と死が環を描いて出会うところなのだ。過去と未来が環を描いて出会うところなのだ。山を辿ることは、まるで未来の記憶を辿っているかのようだった。ぼくは自由になった。ほとんど動物のようになった。何時間も険しい山道を歩き続けたというのに、まったく疲労を感じず、体中に力がみなぎっていた。こんな感覚は子供の頃以来である。

そして、対面した。縄文時代から生きていると言われる巨木、「縄文杉」に。
何千年もの「大きな時間」が、樹の姿をもって、ただそこに在った。震災発生以来、絶望的な現実としての「大きな時間」の中に飲み込まれていたぼくは、希望的な現実としての「大きな時間」にやっと出会うことができたのだった。

原「パ」ツが突きつけてくる「大きな時間」を右手に、目の前の縄文杉と屋久島の巨木たちが生きている「大きな時間」を左手に抱えながら、ぼくはたかが数十年の自分の命を見つめていた。

7日連続の完封。

ここまでの成績…
積算上演日数:544日(±0)
終演まで:420日(-1)
終演見込み日:2012年6月27日(±0)

しかし更新が滞ったので、(6/17~24)、罰則として上演日数8日加算。
積算上演日数:552日
終演まで:428日
終演見込み日:2012年7月5日

縄文杉

Posted: 5月 4th, 2011
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03/05/2011/TUE/百二十日目

朝、岩手で震度3。夜、福島で震度4、宮城で震度3。

今日から世間はゴールデンウィーク。

「パ」ートナーと朝4時に家を出て羽田空港へ。6時20分の鹿児島行きの飛行機に乗る。鹿児島空港到着後、港へ移動。鹿児島港から高速船に乗って屋久島へ。

私にとって屋久島は死ぬまでにいつか訪れようと思っていた特別な場所だった。そしてつい先週、ふと、その「いつか」が来たのを感じ、急に屋久島行きを思い立ったのだ。以前書いた通り、4月23日に私は壊れてしまったが、そこから新たに生まれ直すためには、”ここ”からいったん外へ出なければならない、そう私は感じていた。”ここ”の外とは具体的には、放射能の外、情報の外、首都圏の外…つまりは3月11日から続いている緊張の外ということになるのだが、それに加えて私が何より求めていたのは「時間の外」へ出るということだった。そしていつか訪れようと思っていた屋久島が、”ここ”から脱出して行くべきもっとも理想的な場所として、私の前に現れてきたというわけだ。

林芙美子の小説「浮雲」の一節に「屋久島は月のうち、三十五日は雨が降る」とあるが、島に着くとやはり雨が降っていた。港でレンタカーを借りうけ、島を一周する。ゴールデンウィークは年間を通して屋久島に最も多くの観光客が訪れる時期だという。しかし何故か道にはほとんど車が走っていない。沢山の観光客たちは、一体どこに隠れているのだろう。狐につままれたような気分。

山道を走っていると、「パ」ートナーが森の中に三頭のヤクジカがいるのを見つけた。車を停めてホーメイで歌いかける。すると好奇心旺盛な一頭が、耳をぴくぴくさせながら、黒々とした瞳で私を見つめ、ほんの数歩だけこちらへ近づいてきた。しばらくシカを相手にコンサート。すると山道を挟んで向かい側の森の中に人の気配を感じた。目を凝らすとそれは人ではなくヤクザルだった。サルにもホーメイで歌いかけてみる。が、無視…。

横河渓谷、大川の滝など、名所を点々と立ち寄りながら、島を一周しきる頃には、すっかり辺りは暗くなっていた。明日は午前3時半起きなので、午後9時半には就寝しなければならない。料亭でトビウオ料理を食して、キャンプ場へ。私たちが眠るのは祠(ほこら)のような形をした、広さ二畳ほどの簡素な小屋である。おそるおそる”祠”の扉を開けると、一匹の大きな黒蜘蛛が、天井からぼとりと落ちてきた。絶叫する「パ」ートナー。祠の主の出迎えだ。

ここには電気がない。携帯電話の電波も届かない。したがってweb版「パ」日誌の更新もできない。蝋燭の灯りを頼りに、ごそごそと明日の支度を済ませて、寝袋にもぐりこむ。「パ」ートナーに「おやすみ」と告げて蝋燭を吹き消すと、”祠”の中の小さな空間は、宇宙空間のように広大な闇へと一変した。

六日連続の完封。

ここまでの成績…
積算上演日数:543日(±0)
終演まで:420日(-1)
終演見込み日:2012年6月26日(±0)

しかし、更新が一日滞ったので(6/16)、罰則として上演期間一日延長。

積算上演日数:544日
終演まで:421日
終演見込み日:2012年6月27日

Posted: 5月 3rd, 2011
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02/05/2011/MON/百十九日目

朝から晩まで、茨城、福島、宮城で頻繁に震度3レベルの地震。

多摩美で仕事の日。

パキスタンに潜伏していたビン・ラディンを”殺害”したとアメリカが発表。この殺害を受けて日経平均株価は一気に急騰。3月11日以来となる1万円台を回復した。

5日連続の完封。

ここまでの成績…
積算上演日数:543日(±0)
終演まで:421日(-1)
終演見込み日:2012年6月26日(±0)

Posted: 5月 2nd, 2011
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01/05/2011/SUN/百十八日目

未明に茨城で震度3。朝、福島で震度3。昼、福島で震度4。夜、茨城で震度3。

オフ。
神保町の「さかいやスポーツ」でGORE TEXのトレッキング用レインウェアを上下で購入。

四日連続の完封。

ここまでの成績…
積算上演日数:543日(±0)
終演まで:422日(-1)
終演見込み日:2012年6月26日(±0)

Posted: 5月 1st, 2011
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