17/02/2012/FRI/四百十三日目

昼、SNOW Contemporaryの石水さんから電話。

ある催しで「パ」フォーマンスをやる話があるのだが、その件について打ち合わせ中、「P、P…、プァ、ピャフォーマンスがぁ、」と口走ってしまった。[p]…という子音の後、[a]という母音が出るか出ないかというところで急ブレーキが間に合ったような、間に合わなかったような…。スポーツで言えば、ビデオ判定に持ち込みたい微妙なケースであり、ギリギリセーフにしたいところだが、ここは自分い厳しくギリギリアウトということに。

地雷ワード「パフォーマンス」、パ裂。

明日から、母と弟、「パ」ートナー、「パ」ートナーの母の5人で沖縄旅行に行くので、夕方、ちび太をペットホテルに預けにいく。

その帰り道、「パ」ートナーがペットショップに行きたいと言い出した。ちび太を買ったとき同じカゴにいた兄弟たちの様子をみたいという。

ペットシップのインコ売り場へいくと、ちび太の兄弟は全羽売れ残っていた。ちび太と同じ時期に生まれたので、もう生後3ヶ月半。そうなるともう手乗りインコとして育てるのは難しくなり、ペットとして商品価値が落ちることになる。

値札をみると「980円」という金額が表示されていた。ちび太を買ったときは全羽「1,980円」だった。1,980円ですら安いと思ったのに、さらに1,000円値引きされ、半額以下になっていた。芸ものセキセイインコなら多少成長しても趣味で欲しがる人はいるだろう。しかし成長しきった何の変哲もないセキセイインコを欲しがる人はあまりいないと思われる。今後誰にも買われなかったら、ちび太の兄弟たちの運命はどうなるのだろう?。そう思うと全羽買いたい気持ちにかられたが、そんな感傷的な想いを断ち切り、後ろ髪を引かれながら僕らはカゴの前を立ち去った。

「パ」ートナーがもう一軒すぐ近くにあるペットショップに行きたいというので、はしごすることにした。ちび太を買ったペットショップはホームセンターに併設した店なのだが、こっちは日本最大級とも言われる大型店である。

もちろん鳥売り場へ直行。お目当てはインコ・オウム類の中でも最も賢く、おしゃべりの天才と言われるヨウム。値札を見ると398,000円。ちび太の兄弟の406羽分の金額だ。年齢は3歳とのこと。

しかしそのヨウムはストレスからか、毛引きが激しく、無惨にも羽がボロボロだった。ところどころ鶏肉のような地肌が見えている。とても398,000円では売れないだろう。2月8日に行ったインコ・オウム専門店「こんぱまる」のヨウムは198,000円。20万円も値段が違う。

僕らがヨウムを見ていると、店員が来てカゴの中に手を入れて掃除をしはじめた。羽を膨らませながら店員を威嚇し、指に噛み付こうとするヨウム。

「この仔は人間嫌いなんですよ…。最近ウチに来たばかりなんですけど、以前いたペットショップがストレスだったのか、毛引きもしちゃって…」と店員。確かにカゴには「噛むので手を入れないで下さい」と注意書きの札が貼ってある。

店員が立ち去った後、僕はヨウムを見ながら首を少しかしげてみた。すると彼の鋭い目と視線がバッチリ合った。視線を保ったままホーメイを少し聴かせてやると、彼の呼吸が凍り付き、僕に興味を持ったのが分かった。すかさず畳み掛けるようにして、声を出しながら口笛を吹いたり、舌を鳴らしたり、巻き舌で裏声を出したり、ヴォイス・パフォーマーとして持てるあらゆるテクを駆使してアピール。するとゆっくり僕の方へ近寄ってきて、僕の舌を鳴らした音を真似しながら、ぐるぐると回転運動をはじめたのである。こうなればこっちのものだ。僕はその場で彼と声で即興セッションをはじめた。彼もいろいろな声で実に音楽的に応えてくる。タイミングをみて恐る恐るカゴに指を入れてる。すると黒いクチバシで噛んでくる。それは店員にしたような威嚇ではなく、甘えるような噛み方だった。その遠慮がちな力加減に、彼の心がほぐれて喜んでいるのが伝わってきた。

そのヨウムにとって、僕に飼われることが幸せなんじゃないかと思った。ストレスがなくなれば毛引きも治るかも知れない。しかし398,000円。買えるわけがない。ヨウムはまだまだ遊びたがっていたが、僕らは後ろ髪を引かれるように、その場を立ち去った。

今日は震度3以上の地震は観測されず。

Posted: 2月 17th, 2012
Categories: パ日誌
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