News for 3月 2012

31/03/2012/SAT/四百五十六日目

インフルエンザのため、本日アートフェア東京で予定されていたパフォーマンスはキャンセルさせていただき、ずっと家で寝ています。寝室に隔離され、トイレの時以外は部屋の外に出させてもらえません。隣の部屋にいる「パ」ートナーとも電話でやりとりしています。完全に隔離病棟の伝染病患者扱いです。

ニュースによれば、横浜市立の学校18校の地下水層にたまった砂から、国の基準値を超える濃度のセシウムが検出されていたことが分かったそうです。最も高かったのは鶴見区の小学校で1キロあたり1万6800ベクレル。横浜市教育委員会はこの事実を知りながら、生徒や父母たちには三ヶ月間公表していなかったとのこと。

東京では桜が開花しました。平年より5日遅い開花とのことです。地面も珍しく穏やかでした。今日観測された地震は、浦河沖、岩手沖、茨城沖を震源にそれぞれ震度1が3回のみ。今日は完封。

Posted: 3月 31st, 2012
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30/03/2012/FRI/四百五十五日目

朝、脱水症状とともに目が覚めました。身体を起こそうとしても中々起き上がれません。何もかも地球と同じに見えるのに、まるで重力だけ10倍の惑星に来てしまったようです。這うようにして病院へ行き、診察を受けると、案の定インフルエンザと診断されました。
病院を出て、駐車場の車の中で処方されたばかりのタミフルと解熱剤を飲むと、今度は身体がフワフワして、気を確かに保たないと何処かへ飛んでいってしまいそうでした。ジャック・タチの映画『トラフィック』は観ましたか?主人公たちがアポロ11号の月面着陸の中継をみて感化され、宇宙飛行士になりきってゆっくりと動く愉快なシーンがあるのですが、ちょうどあんな感じです。それでも何とかアートフェアの会場まで運転してたどり着き、昨日に引き続きタイベックスーツを着込んで、やり残した設営を完了させました。
今回の『原子ギター』の展示では、放射線源として会場となった国際フォーラムから歩いてすぐの、皇居外苑で採取した土を使いました。これは約0.2μシーベルトと、以前、アトミックサイト展で使った芸大取手校地で採取した土(2〜3μシーベルト)にくらべると大分線量が低いです。線量が低ぶん『原子ギター』の演奏も地味なものになるのですが、今回は音の派手さよりも、たとえ微量でも、皇居が汚染されているという事実を展示の要素として重視しました。
『原子ギター』は、電気の象徴であるエレキギターという楽器が、東京電力のつくる電気を喰らって活力を得ながら、東京電力がまき散らした放射能を耳に聞こえる形で露にしてしまうという、インフラと放射能をめぐる呪われたサイクルがコンセプトになった作品です。ですから『原子ギター』は東京電力管内で鳴らされることが前提となっており、その意味でサイトスペシフィックな性格を持っていると言えるでしょう。
東京電力の本社があるのも、やはり国際フォーラムのすぐ近くです(ちなみに東京電力は国際フォーラムの大株主でもあります)。今回の展示では、東京電力本社、アートフェア会場となっている国際フォーラム、そして皇居の3者が所在する数百メートル範囲を展示の場として設定し、『原子ギター』の、よりサイトスペシフィックな性格を強調したつもりです。
早朝、宮城県沖を震源に震度3。昼過ぎ、福島県沖を震源に震度3。夜、岩手県沖を震源に震度3。今日は完封です。
Posted: 3月 30th, 2012
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29/03/2012/THU/四百五十四日目

今日はアートフェアトーキョー2012のプレビューオープンの日でした。今回僕が出展したのは『原子ギター 五号機 Les paul Type+六号機 Les paul type Left-handed』と『原子ギター 七号機 Warlock Type+八号機 Warlock type Left-handed』。各ギターの制作は2011年に着手したので、制作年は2011年としていますが、今回のアートフェアへの出展に向けて、このタイミングで最終的に完成させた次第です。しかし昨日あたりから39度台の熱が出て体調が最悪…。その結果、作業がズレ込んでしまい、設営のために会場に到着した時にはもうプレビューが始まってしまっていました。仕方がないので、タイベックスーツを着込み、マスクをつけ、原「パ」ツ作業員のような出で立ちで、設営自体を「パ」フォーマンスとしてみせることにしました。また、どうもこの感じは普通の風邪ではなく、インフルエンザのような気がするので、自分の菌を周りにまき散らさないようにという、実用的な配慮の意味もありました。そんな訳で、遅れながらも何とか設営作業に着手したものの、身体がいつもの10倍くらいの重さに感じられて思うように動きません。まるで鉛の空気の中をもがいているようです。七転八倒しながら作業したのですが、結局設営は完了せず。多くの方に迷惑をかけた一日でした。

震度3以上の地震は観測されず。今日は完封。

Posted: 3月 29th, 2012
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28/03/2012/WED/四百五十三日目

朝から体調がすぐれません。身体が鉛のように重くて辛いです。どうやら久しぶりにひどい風邪をひいたようです。不調を圧してアトリエで作業をしたのですが、あまりはかどりませんでした。

震度3以上の地震は観測されず。今日も完封です。かれこれ17日連続になりますね。

Posted: 3月 28th, 2012
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27/03/2012/TUE/四百五十二日目

今日は一日中アトリエで作業でした。

帰宅すると「パ」ートナーが即興で歌ったり、踊ったり、ちび太を腹話術人形のように使って寸劇を繰り広げたり、とても賑やかな夜でした。

福島第一原「パ」ツ2号機では、事故後はじめて格納容器内部の放射線量の測定が行われたそうです。その結果、1時間あたり72.9シーベルト=7万2900ミリシーベルトという非常に高い放射線量が計測されたとか。これは7分で死に至る値だそうです。廃炉に向けてはこの格納容器の損傷箇所を修理し、水を満たした上で燃料を取り出す必要があるとのことですが、7分で死に至るような場所を一体どのようにして修理すれば良いのか、みんな頭を抱えています。

昨年暮れ、政府と東京電力は廃炉に向けた工程表を発表しました。それによれば廃炉完了の目標は40年後とのことでした。今から40年後というと2052年です。僕には遠い未来のように感じられます。どうですか? あなたがこれを読んでいる今、福島はどうなっていますか?原「パ」ツの廃炉作業は終わっているでしょうか?

夜、千葉県東方沖を震源に震度3、岩手県沖を震源に震度5弱。今日は完封。

Posted: 3月 27th, 2012
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26/03/2012/MON/四百五十一日目

今日はアトリエで作業後、芸大の謝恩会へ。帰宅後、入浴しようとしたところ、ちび太が僕の頭にとまって離れず、仕方なくそのまま風呂場へ入りました。僕が湯船につかっている間、しばらく頭の上で大人しくしていたのですが、途中で堪り兼ねたように「ぎょぎょぎょ!」と鳴きながらリビングの方へ飛び去っていきました。

今日、というか正確には昨日25日の午後11時59分、柏崎刈羽原「パ」ツ6号機が定期検査のために停止しました。これで東電管内17基の原「パ」ツすべてが停止したことになります。日本で現在稼働している原「パ」ツは、北海道電力管内の泊原「パ」ツ3号機一基のみ。今日からしばらくは気持ちよく電気が使えそうです。

昼ごろ、岩手県沖を震源に震度3の地震がありました。チリの方ではM7.1の地震があったそうです。さらに報道によれば、房総沖にこれまで存在を知られていなかった二つの大きな活断層が発見されたとのことです。いずれもM8~9の地震を引き起こす可能性があるとのことで、非常に気になります。

今日は完封。

Posted: 3月 26th, 2012
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25/03/2012/SUN/四百五十日目

今日もほとんどアトリエに籠って制作の一日でした。「パ」ートナーが新しいワンピースを、僕は新しい靴を買いました。

ちび太の鼻の周りの蝋膜がだいぶ青くなってきています。セキセイインコの雛は性別の判別が難しいのですが、ある程度成長してくると、オスの蝋膜は青色に、メスの蝋膜は褐色をおびてくるそうです。飼い始めのころ、性別が定かでないまま勘で「ちび太」という男の子の名前をつけてみたのですが、見事に予感的中です。

夜、福島県沖を震源に震度4がありました。福島で地震が起こるたび、未だ収束に至って居ない原「パ」ツに何かあったらとひやひやします。今日も完封です。

今日は完封。

Posted: 3月 25th, 2012
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24/03/2012/SAT/四百四十九日目

今日はアトリエに籠って黙々と制作した一日でした。

ちび太はというと最近、頭のてっぺんから僕の髪の毛をつたって、ロッククライマーのようにずるずると手前に降りてくる新しい技を身につけました。日々、成長の過程を観察できるのは喜ばしいことなのですが、正直、この新技はとても鬱陶しく、閉口しています。

今日も震度3以上の地震は見られず、地殻は比較的落ち着いていました。僕はというと、今日も完封です。

Posted: 3月 24th, 2012
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23/03/2012/FRI/四百四十八日目

今日はアトリエで少し作業をした後、恵比寿で催された多摩美の謝恩会に出席。二次会を途中で抜けて帰宅し、デスクワークをしていると、映画を観に出かけていた「パ」ートナーから電話がかかってきました。電話越しの「パ」ートナーの声は何やらハイテンションで、神経が高ぶっているようでした。それに対する僕の態度がそっけなく感じられたのでしょう(デスクワークの途中だったので、僕もうわの空で彼女の話を聞いてしまっていたのだと思います)。彼女は僕の態度に怒りだし、それを受けて僕もつい感情的になってしまいました。

その時はお互い怒って電話を切ってしまったのですが、後からちょっと悪かったなという気持ちが出てきたのが半分、ご機嫌とりの気持ち半分から、小雨が降る中、「パ」ートナーが到着する時間を狙って駅の改札口まで迎えに行くことにしました。

終電間際。電車が到着し、仕事帰りのサラリーマンとOLたちが改札口から流れ出る人ごみの中に「パ」ートナーの顔が見えたとき、僕は白い紙に赤いペンで大きなハートを描いて、彼女の方へ高く掲げました。すると最初はこわばっていた「パ」ートナーの顔が、それを見つけてみるみる笑顔に変わるのが分かりました。作戦成功です。皆がじろじろ見るので恥ずかしかったのですが、僕たちの場合、本気の喧嘩に発展すると洒落にならないほど激しいので、この程度の恥で危機が回避されるならお安いものです。

すっかり機嫌を直した「パ」ートナーは、僕に会うなりこう言いました。

「ちょっと公園付き合ってくれない?爆発しそうなの。踊りたい。」

あなたなら想像がつくでしょう。彼女には内側で風船が膨らんではち切れそうになるように、エネルギーを持て余しはじめることがしばしばあるのです。

僕らは一旦帰宅し、着替えた後、小雨の降る中、深夜の公園へと出かけました。公園に着くなり、「パ」ートナーは傘を投げ捨てて、iPhoneでお気に入りの曲をかけたかと思うと、持参した屋久杉製のしゃもじを二本、両手に持って踊りはじめました。闇の中を雨に打たれ、泥にまみれ、地面に身体を打ち付けながら、あまりに激しく踊るので、少し心配になりましたが、怪我をしたり警察沙汰にならない限りは、自由にさせてやろうと思いました。

見守る観客は僕一人。端から見れば狂っているようにしか見えないはずです。しかし僕は彼女の踊りの中に表現していなければ生きられないという、その性を、そのエネルギーの根本を、見た気がしました。彼女はすばらしい芸術家です。

しばらくして、「パ」ートナーは「ゴン!」という音とともに水たまりに倒れ込みました。頭を地面に打ったようでした。僕は駆け寄って彼女を抱きかかえて言いました。

「すごく良かった。感動したよ。さぁ、帰ろう」

濡れた髪がまとわりついた彼女の顔は、げっそりとしながらも、恍惚とした笑みを浮かべていました。すぐ自宅へ帰って、震える彼女を風呂に入れ、擦りむいた怪我の泥を洗ってやり、就寝。

彼女と生きるのは簡単ではありませんが、本当に飽きません。僕らはいつもエネルギーのぶつかり合い、せめぎ合いに生きています。そしてそのテンションから未来が生まれるのだと強く信じています。その未来の実態をあなたは良く知っているでしょう。

夜、福島県沖を震源に震度3。今日は完封。

Posted: 3月 23rd, 2012
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22/03/2012/THU/四百四十七日目

15日の『横浜青葉人力発電所』で故障した右膝。痛くなりはじめた時は数日もすれば治るだろうと、楽観的に考えていたのですが、一週間経っても改善がみられないばかりか、どんどん症状は悪化しています。今では激痛のためほとんど階段を上り下りできなくなり、平地でもびっこをひかずには歩けないようになってしまいました。

ちなみに左足の方は何ら問題ありません。15日に自転車をこいだ時は左右の足にかかる負担のバランスに注意を払いながらこいでいましたから、右足にだけ負担がかかったとは考えにくいです。右足だけが故障してしまったのは、おそらくパフォーマンスで長年やってきた「シンバル蹴り」が影響しているのだと思います。シンバルを蹴るのはもっぱら右足なのですが、時々シンバル・スタンドが折れてしまうほどの勢いで蹴っているので、右足にかかる負担も相当なものなのでしょう。

そして今日になって、これは思っていたより大事かも知れないと急に不安になり、遅ればせながら整形外科へ行ってきました。

先生:「どうされましたか?」

僕:「自転車を10時間以上こぎつづけまして…、右膝を痛めてしまったんです…」

先生:「ほぅ、自転車ですか。スポーツか何かですか?」

僕:「いえ…、あのー、変な話なんですが、発電する自転車というのを作りまして、自分で発電した電気でずっと電球に灯を灯し続けるということをやりまして…」

先生:「へー、発電ですか!」

先生は驚きながらも、僕が震災から一年目の節目に身体を壊してまで発電しようとした意図を何となく汲み取ってくれたようです。少し感心したような表情を見せた後、すぐに大笑いしながらこう言いました。

先生:「はっはっはっ!しかしそれはほとんど労災ですなァ!」

レントゲンを撮って確認した結果、幸い骨には異常はみつからず。おそらく長時間の酷使で、半月板とそれに連なる靭帯を損傷したのだろうとのことでした。塗り薬を塗って、しばらく運動を控えれば治るそうなので、ひとまず安心しました。

今日、日本では地殻の活動はかなり穏やかでした。震度3以上の地震は観測されず、震度1~2の地震もごくわずかだったようです。しかしパプアニューギニアの方ではM6.7の地震があったとのことでした。

今日は完封。

Posted: 3月 22nd, 2012
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21/03/2012/WED/四百四十六日目

今日は目黒で打ち合わせの予定があったのですが、足が痛くてろくに歩けないため車で出かけました。数日間様子をみてきましたが、一向に良くならないので、明日はいよいよ整形外科に行って診てもらおうと思います。

メキシコではM7.8の地震が発生しました。メキシコで観測された地震としては、1985年の「メキシコ地震」(M8.0)以来、最大とのことです。
今日は完封。

Posted: 3月 21st, 2012
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20/03/2012/TUE/四百四十五日目

映画を観ようと「パ」ートナーと一旦家を出たものの、あまりに足が痛くて電車に乗れず。運転はできそうなので車で向かおうとも思ったのですが、上映開始の時間に間に合いそうになかったので、予定を変更して二人でペットショップに行きました。まずちび太を買ったペットショップへ行ってみると、4羽いたちび太の兄弟が2羽に減っていました。2月17日の日誌に、売れ残った兄弟たちが1980円から980円に値下げされていたことを書きましたが、その後4羽のうち2羽は誰かに買われたようです。

また、すぐ近くにあるもう一軒のペットショップにも行ってみると、2月17日、23日、25日の日誌に書いたあのヨウムも売れていました。最後に会ったとき、低い乾いた男の声で「バイバーイ」と言われましたが、あれが本当に別れの言葉になろうとは。何だか少し寂しいです。

今日は完封。

Posted: 3月 20th, 2012
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19/03/2012/MON/四百四十四日目

右膝は依然として痛いです。昨日より痛みがひどくなってきました。ちび太は「チビタ!」としか言いません。他の言葉も覚えさせなくては。最近はレナード・コーエンの「ハレルヤ」がお気に入りのようで、この曲をかけるとよくさえずります。

昼、青森県東方沖を震源に震度3。
今日は完封。

Posted: 3月 19th, 2012
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18/03/2012/SUN/四百四十三日目

一昨々日の『横浜青葉人力発電所』で、どうやら右膝を痛めてしまったようです。きちんと歩けず、びっこをひいています。少し様子を見てみて、痛みがひかないようなら病院へ行こうと思います。とりあえず外出は取りやめました。

朝、千葉県沖を震源に震度3。岩手県沖を震源に震度4。
今日は完封。

Posted: 3月 18th, 2012
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17/03/2012/SAT/四百四十二日目

ちび太との出会いですっかり鳥の魅力に取り憑かれてしまった僕と「パ」ートナーですが、今日はかねてから行きたいねと話していた鳥の楽園『掛川花鳥園』へ行ってきました。

掛川花鳥園は桃山時代から続く豪農・庄屋である加茂家の14代家主にして鳥類コレクターの加茂元照さんという方が、自分のコレクションした鳥を公開するテーマパークです。世の中には誰かの「パ」を100万円で買ってコレクションする”アートコレクター”なる人もいれば、世界中の鳥をコレクションする”鳥類コレクター”なる人もいるのですね。

掛川花鳥園には沢山の鳥たちがいました。インコ、オウム類、ワシ、タカ、フクロウ、ハヤブサなどの猛禽類、ペンギン、オシドリ、カモ、コクチョウ、クジャク、シギ、フラミンゴ、ヘビクイワシ、エミューやペリカン…。多くの鳥たちが園内で放し飼いにされていました。

インコ・オウムたちは、人がカゴの前で彼らのアテンションを引こうとすると、黙っているくせに、カゴの前から立ち去ろうと背を向けると、人間の言葉をしゃべって引き止めます。ここのインコ・オウムは日々かなりの数の人間と接しているからか、人間のあしらい方が上手くちょっと生意気な印象でしたが、それでもやはりかわいかったです。

そうそう、コンゴウインコがものすごい”鳳哮”をあげるので、ついこちらも「オウム返し」に叫びで対抗したら、突然、隣にいたオオバタンが冠羽を逆立てて参戦してきて大騒ぎになりました。2012年2月25日の日誌にもオオバタンのことは書きましたが、やはりオオバタンはいきなりキレる直情型みたいです。

誰かの言葉をそのまま真似て発することを「オウム返し」といいますね。これはインコ・オウム類が人間の声真似をすることからきている訳ですが、逆に彼らに彼らの声を上手く真似て「オウム返し」してやると、とてもエモーショナルな反応があります。どうやら彼らは音楽的なコール&レスポンスが大好きなようです。

今日、一番感動したのは、先日オーストラリアでちゃんと聴けなかったエミューの声を、ちゃんと聴けたことです。特にメスの声がたまらなく良い声でした。低くて透明な、温泉が湧き出るような声で「こぽこぽこぽ」って。掛川花鳥園にはエミュー牧場というのがあって、その中に入るとたくさんのエミューに囲まれ、四方八方からくる「こぽこぽこぽ」いう声に浸ることができます。あなたがこれを読む頃に、まだ掛川花鳥園があるならば、ぜひエミュー牧場を訪れて、僕の感動したエミューの声を聴いてみてください。

今日は完封。

Posted: 3月 17th, 2012
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16/03/2012/FRI/四百四十一日目

昨日自転車をこぎすぎて、朝起きると足がガクガクで立てなかったので、今日はほとんどデスクワーク。夕方にちび太を病院へ連れて行きました。AGYの治療が続いています。

今日は完封。

Posted: 3月 16th, 2012
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15/03/2012/THU/四百四十日目

昨年の3月15日は東京に大量の放射能が降り注いだ運命の日です。政府は東京を放射能の見えない雲が襲うことを国民に故意に告げず、その結果、多くの人が被曝してしまいました。小出裕章氏の分析によれば、この日東京にいた人は、1年間に浴びてもよいとされる値、1ミリシーベルトを、わずか1日で浴びた計算になるそうです。きっと僕も少なからず被曝したはずです。

そんな今日という記憶しておくべき日に、僕は横浜市青葉区の自宅の書斎を小さな発電所にしたいと思いました。書斎に発電自転車を持ち込んで、自転車をこいで自ら発電した電気で白熱電球に灯を灯し続けます。さらにその灯りをインターネットで中継することで、どこかの誰かに届けながら、ツイッターでリアルタイムにメッセージを発信し続けます。この小さな発電所を『横浜青葉人力発電所 Yokohama Aoba Human Power Plant』と名付けました。

2時間に1度、10分間の休憩をとりながら、13時46分から午前零時までの10時間14分。最終的には500人を超える人がこの行為を観てくれました。

以下、自転車をこぎながら発信したメッセージの記録を時系列に掲載します。ちなみに黙々と自転車をこぎながらキーボードをタイプしていたので、今日はまったく喋らず、完封です。

・・・・・・・・・・・・

2012年3月15日 – 13:45
さて…

 

2012年3月15日 – 13:45
準備できた。

 

2012年3月15日 – 13:46
いきます。

 

2012年3月15日 – 14:37
1時間経過

 

2012年3月15日 – 14:45
あ、さっきのまだ「50分経過」だった…。

 

2012年3月15日 – 14:46
今度こそ1時間経過。

 

2012年3月15日 – 15:25
ケツとキンタマが痛い。ストレステストしておくべきだった。

 

2012年3月15日 – 15:46
二時間経過。10分間休憩。汗やばいので着がえる。

 

2012年3月15日 – 15:58
ちょっと遅刻しちゃった。再稼働。

 

2012年3月15日 – 16:46
開始より3時間経過。

 

2012年3月15日 – 17:46
開始より4時間経過。10分間休憩。

 

2012年3月15日 – 17:57
再稼働。いきます。

 

2012年3月15日 – 18:26
足がもう自分の足じゃないみたいだ。

 

2012年3月15日 – 18:30
初めて3時間目くらいがいちばんキツかったな。人間の体って不思議。

 

2012年3月15日 – 18:46
『横浜青葉発電所 Yokohama Aoba Power Plant』、開始より5時間経過。

 

2012年3月15日 – 18:59
車輪がたてる音を音楽と思って聴き、そのリズムに合わせて踊るようにこぐと、この労働にも耐えられる。田植え歌をはじめとる労働歌の起源はここにあるんだな。よくわかった。音楽の力は末恐ろしい。

 

2012年3月15日 – 19:03
とてもいいツイートをいただいたので、もう一声明るめの光、お返しします!それっ!

 

2012年3月15日 – 19:05
あああああああああああああ

 

2012年3月15日 – 19:05
ふうー

 

2012年3月15日 – 19:46
『横浜青葉発電所 Yokohama Aoba Power Plant』、運転開始より6時間経過。これより10分間停電します。

 

2012年3月15日 – 19:57
『横浜青葉発電所』再稼働します。

 

2012年3月15日 – 20:00
さっき、パンツ脱いでみたら、尻の皮が擦り剥けてた。サドルに枕置いてこいでみてるんだけど、こぎにくい。

 

2012年3月15日 – 20:03
『横浜青葉人力発電所 Yokohama Aoba Human Power Plant』の方がいいな。改名します。

 

2012年3月15日 – 20:46
『横浜青葉人力発電所 Yokohama Aoba Human Power Plant』運転開始より7時間経過。

 

2012年3月15日 – 21:14
去年3月17日~18日にかけて、僕は自分の心音をユーストした。そしてその配信は計画停電に断ち切られる形で終了した。その後暗黒が続いた後に、再び街に電気が取り戻される瞬間は忘れられない。あの街の灯の美しさといったらなかった。その日の日誌→ http://pa-nisshi.net/blog/?p=897

 

2012年3月15日 – 21:27
その灯を、自分の信じられる方法でつくらなければ、あの瞬間に感じた美しさはむくわれない。

 

2012年3月15日 – 21:46
『横浜青葉発電所 Yokohama Aoba Power Plant』、運転開始より8時間経過。これより10分間停電します。

 

2012年3月15日 – 21:57
『横浜青葉人力発電所 Yokohama Aoba Human Power Plant』再稼働しました。

 

2012年3月15日 – 22:26
部屋が汗臭い…

 

2012年3月15日 – 22:46
『横浜青葉人力発電所 Yokohama Aoba Human Power Plant』、運転開始より9時間経過。

 

2012年3月15日 – 23:15
完全に「発電ハイ」になっとりまふ。キモチィー!

 

2012年3月15日 – 23:20
そうそう、去年の『東京藝術発電所』のアフタートークで面白いキーワードが出た。「不安定供給フェチ」と「電力グルメ」。

 

2012年3月15日 – 23:25
「不安定供給フェチ」は完全な美人より、ちょっと欠点のある顔の娘の方が萌えるみたいな、マニアックな感性といえばいいか。「電気グルメ」は、電気の質にとことんこだわって高音質を求めるオーディオ・マニア的な、高解像度な感性。

 

2012年3月15日 – 23:26
実際、ソーラーで蓄電した電気でギターアンプを鳴らしてみたんだけど、コンセントから電源とるのと、全然違う。音がいい。

 

2012年3月15日 – 23:29
今日、ぜんぜんちび太と遊んでやれてない。ごめんよ…。

 

2012年3月15日 – 23:30
こっちの部屋つれてきたいんだけど、チャリの車輪に巻き込まれるとまずいじゃん?あいつちっちゃいから。

 

2012年3月15日 – 23:32
友人のツイートで、尻パッドの入ったサイクリング用パンツがあるのを知った。リサーチ不足だった。尻、もう感覚ないでふ。

 

2012年3月15日 – 23:33
ひょ~~~!!!!

 

2012年3月15日 – 23:39
あれっ?自転車って空を飛ぶ乗り物だったっけ?

 

2012年3月15日 – 23:39
飛んでる!

 

2012年3月15日 – 23:46
『横浜青葉人力発電所 Yokohama Aoba Human Power Plant』運転開始より10時間経過。

 

2012年3月15日 – 23:47
本日13時46分より運転開始した『横浜青葉人力発電所 Yokohama Aoba Human Power Plant』は16日0時0分をもって運転終了とします。おつきあい下さった皆さま、ありがとうございました。残り13分。

 

2012年3月15日 – 23:47
ここで、昨年やった『東京藝術発電所:発電ライブ・パフォーマンス』について、先日書いたある原稿の中から、今日の僕の行為と関連があると思われる箇所を一部転載します。

 

2012年3月15日 – 23:47
1)そのとき僕はマハトマ・ガンディーの「チャルカ」のことを思い出した。「チャルカ」とは彼が自立の象徴としたあの糸車のことである。イギリスはインドの伝統的な手作業による繊維産業を徹底的に潰すことで(織物職人の目をくり抜き、手を切り落としたとの記録もある)、(続)

 

2012年3月15日 – 23:47
2)産業革命によって大量生産が可能になった自国の綿織物をインドに売りつけたが、ガンディーはイギリスによるそのような搾取に対し、チャルカを回すという行為を象徴的に示すことによって抵抗したのだった。(続)

 

2012年3月15日 – 23:47
3)福島の原発事故が、イギリスの繊維工業とともにはじまった産業革命と、それによって確立された近代資本主義の成れの果てであるとするならば、僕の回そうとするちっぽけなダイナモの回転は、かつてガンディーが自立の精神を込めた、あのチャルカの大いなる回転を受け継ぐものであるはずである。

 

2012年3月16日 – 0:00
これにて、『横浜青葉人力発電所 Yokohama Aoba Human Power Plant』の運転を終了いたします‏。

・・・・・・・・・・

Posted: 3月 15th, 2012
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14/03/2012/WED/四百三十九日目

やっと原稿を書き上げて、入稿完了。肩の荷が下りてほっとしていたのもつかの間、夕方に三陸沖を震源に震度4、午後九時過ぎには千葉県東方沖を震源に震度5強の地震がありました。この影響で道路や鉄道が通行止めに。地震発生後、NHKが「福島第一第二 新たな異常なし」と報じましたが、本当にヤバいことになったとき、国や東電やマスコミがちゃんと「異常あり」と言ってくれるなんて、もう誰も信じていません。

ちび太はだいぶ飛ぶのが上手くなってきましたが、着地はまだまだです。時々、勢い余ってつんのめるような姿勢で着地しています。

今日は完封。

Posted: 3月 14th, 2012
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13/03/2012/TUE/四百三十八日目

今日も原稿の執筆。一日家に缶詰で書いています。

さきほど、ふいに何の脈絡もなく、銃で撃たれたときの衝撃とか痛みの感覚が、体に想像されました。もちろん撃たれたことなどありませんが、それはとてもリアルな感覚に感じられました。たぶんこれは僕の父が、特派員時代に中東の戦争を取材していたことと関係があるのだと思います。もちろん僕の父も銃で撃たれたことなどなかったはずですが、子供の頃、父と銃器と戦争が映像の中で同居しているのをよく見ていたので、そのイメージが目を通していつの間にか身体に染み入ってしまったのかも知れません。

あなたの生きている世界でも、戦争は起きていますか?東アジアの情勢はどうでしょうか。心配です。

今日は完封。

Posted: 3月 13th, 2012
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12/03/2012/MON/四百三十七日目

福島の原「パ」ツが水素爆発を起こし、放射能の拡散がはじまってから1年が経ちました。今日は一日中原稿の執筆をしていますが、なかなか書けずに苦しんでいます。大学時代の恩師の港千尋さんからの依頼です。数名の執筆者がアートと社会について寄稿するそうで、最終的に一冊の本になるそうです。

ホーメイと同じ喉歌の伝統をもつウイグルでは一昨々日M6.0の地震があり、建物8600棟が倒壊、2万7000人が避難したそうです。でも不思議なことに死者は報告されていないとか。日本はというと、早朝に熊本で震度4の地震がありました。

今日は完封。

Posted: 3月 12th, 2012
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11/03/2012/SUN/四百三十六日目

午後2時46分、「パ」ートナーと共に黙祷。

1000年に一度と言われる地震がおきてから1年が経ちました。僕らは今、危ういバランスの上に取り戻された「日常」に生きています。今も東北地方では家を失った多くの人が、仮設住宅で避難生活を送っています。
以前は自分の生きる「日常」がずっと続くものだとただ何となく信じていましたが、今ではこの「日常」がかりそめのものであると思わずにはいられません。
この一年、僕は自分の生活を衣食住の根本から見直し、今まで自分がないがしろにしてきた小さなことを取り戻そうと努めてきました。一方で、自らの肉体から意識だけ離脱して、どこか別の場所から、この世界を動かす大きな循環の全貌を眺めたいという欲望にかられています。

ふと、今日からこの「パ」日誌を、あなたに宛てて書こうと思いました。
亡くなった人へ宛てた言葉のことを弔辞といいますが、まだ存在しないあなたへと宛てた、このような言葉のことを何と呼べばよいか分かりません。
実際に僕はこの日誌を、2012年3月11日からだいぶ遅れて書いていますから、現在から過去に遡って、現在を飛び超えた未来に宛てて書いていることになります。哲学者であり聖人であるアウグスティヌスという人はこう言ったそうです。「過去とは、もはやないものである」。「未来とは、まだないものである」。果たして本当に実在するのは「現在」だけであり、「過去」も「未来」も主観的な幻影に過ぎないのでしょうか。
いずれにしても、いつ崩れ去ってしまうかも分からない、かりそめの日常に生きながら、未来像を描くのはとても困難なことです。現在を生きるすべての人がその困難に直面しています。その困難を引き受けながら、僕は未だ存在しないあなたへ現在から言葉を送ります。言葉というのは書かれた瞬間から過去のものになりますが、読み返されるたびに現在に蘇る不思議な力を持っています。あなたが読み返すことで、この言葉が未来に蘇ることを夢想しながら、僕は今、2011年に製造されたコンピューターのキーボードを打っています。

今日は夕方から多摩美の教え子たちの卒業制作展を観に出かけました。身支度をして「パ」ートナーに出かけてくるよと告げて家を出ようとした時、彼女が言いました。

「パ」ートナー:「そんなお洒落して何処行くの?」
僕:「え?多摩美の卒業制作展だよ」
「パ」ートナー:「怪しい!」

今日僕が選んだのは、ワインレッドとベージュと蛍光緑がまだら模様になったコーデュロイのカジュアル・スーツでした。確かに僕が持っているスーツの中で最も派手なものです。やはり学生たちが卒業するわけですからおめでたい場ですし、昨年の卒業制作展は震災のため中止になったので、今年は無事展覧会を開くことできたことを嬉しく思う気持ちもあり、華やかなものを選んだのですが、どうやら「パ」ートナーには僕が急に色気づいたように見えたようです。

「パ」ートナー:「私と出かけるときにそんなお洒落しないじゃない!」
僕:「えっ、だってこの間、一緒に近所のスパゲッティー屋行ったときこれ着てこうとしたら、派手すぎるからやめろって言ったじゃん…」

地雷ワード、「スパゲッティー屋」、パ裂。しかし「パ」ートナーはそんなことおかまいなし。

「パ」ートナー:「だって地元のレストランには、どう考えても派手すぎでしょ!その服!」
僕:「わかったよ…じゃあ着替えてくるから」
「パ」ートナー:「着替えなくていいよ!学生たちの展示なんでしょ!遅れたら可哀想でしょ!」

あなたが男であるのか、女であるのか、今はまだ分かりませんが、女心というのはなかなか厄介なものですね。「パ」日誌が滞りがちになる一つの原因として、実は日常茶飯事に起こる「パ」ートナーとの些細な諍いが挙げられるのですが、またこのことについてはいずれ書きます。あなたの時代でもまだ『トムとジェリー』というアメリカのアニメは忘れられていないでしょうか。「ケンカするほど仲がいい」という言葉は、どうやら僕らにぴったり当てはまるようです。

夕方、十勝地方中部を震源に震度3。

Posted: 3月 11th, 2012
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10/03/2012/SAT/四百三十五日目

日付変わってすぐの午前2時半ごろ、茨城県北部を震源に震度5弱の地震発生。ちび太が揺れに怯えて落ち着きをなくす。

それでも昼間は気持ち的に和んでちび太と遊んでいたのだが、夜になり時が午前零時に近づくにつれ、様々な感情…特に怒りの感情がこみ上げてくる。

今日は完封。

Posted: 3月 10th, 2012
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09/03/2012/FRI/四百三十四日目

自宅でデスクワーク。僕が仕事をしている脇で、ちび太がRAGE AGAINST THE MACHINEの曲に合わせて、さえずりと地鳴きを織り交ぜながら激しく歌いはじめた。トム・モレノのギターが気に入ったみたいだ。

未明、宮城県沖を震源に震度3。今日は完封。

Posted: 3月 9th, 2012
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08/03/2012/THU/四百三十三日目

自宅でデスクワーク。

未明、新潟県中越地方を震源に震度3、茨城県南部を震源に震度3。昼、宮城県沖を震源に震度3。今日は完封。

Posted: 3月 8th, 2012
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07/03/2012/WED/四百三十二日目

明け方、ふと窓の外を見ると一面が濃い瑠璃色に染まっていた。ベランダに出ると空気が生温い。冬が去る。
午後は科学未来館でぷりぷり君、小町谷君と打ち合わせ。
震度3以上の地震は観測されず。今日は完封。

Posted: 3月 7th, 2012
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06/03/2012/TUE/四百三十一日目

昨日に引き続き、自宅でデスクワーク。海外向けの資料作成。

ちび太、昨日に引き続き「チビタ!チビタ!」と調子づいている。

震度3以上の地震は観測されず。今日は完封。

Posted: 3月 6th, 2012
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05/03/2012/MON/四百三十日目

自宅でデスクワーク。海外向けの資料作成。

遂にちび太がしゃべった。一瞬我が耳を疑ったが、あの小さな動物が「チビタ!」と、いつもより低めの声で自分の名前を言ったのだ。目で見る声の主と、耳で聴く声の主が一致せず、まるで映画の吹き替えのような奇妙な感覚。

午後、岩手県沖を震源に震度3。今日は完封。

Posted: 3月 5th, 2012
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04/03/2012/SUN/四百二十九日目

「パ」ートナーの仕事が休みだったので、二人で東浦和にあるインコ専門店「パパガロ」まで足をのばす。しかし、僕にとっては何ともキツい店名だ。

店内でふと隅の方を見ると、カゴの中にモップが放置されていた。しかしよく見るとそのモップと思ったものは鳥だった。「フェザーダスター」というセキセイインコの突然変異種らしい。ホコリを払う掃除用具の羽根でできたダスターに似ていることからそう名付けられたらのだろう。なんでも羽根が生え変わらずにひたすら伸び続け、成長と共にもじゃもじゃの姿に成り果てて、生まれて数ヶ月で死んでしまうのだとか。飛べないどころか、満足に立てず、ずっと腹ばいで這いつくばっているという哀れな鳥…。

パパガロを後にして、富士見市にある鳥専門店「バードモア」へハシゴ。店内を飛び回っていたオオハナインコがバサバサと頭にとまってくる。オオハナインコはオスが緑、メスが赤なのだが、その個体はオス。こんな美しい緑色は見たことがないと思わせるほど、鮮やかな羽色をしていた。

自宅に帰った僕はフェザーダスターのことが気になっていた。グーグルで検索してみると、ある鳥愛好家の方のブログがヒットしたので、「パ」ートナーに音読して聞かせる。

そのブログより以下に音読した箇所を引用させていただく。
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このもっさりは、フェザーダスターというセキセイインコの突然変異種だそうです。初見で「可愛い!飼いたい!モフモフしてぇ!」と思ったのだが調べてみてちょっと落ち込んでしまいました。このフェザダスターは6ヶ月前後という短い寿命の間に羽根が伸び続けてしまうのだ。普通ならセキセイの寿命は10年前後なのかな?それに「羽根が伸び続ける」にピンと来ない人も多いと思うけど、鳥ってのは羽根が伸びきる限界があって、伸びきってしまったらあとは抜けて、そこからまた新しいのがはえてくるのだから、きっとそれだけでもすごく体力消耗するんじゃないかな。それに、何より前が見えないし、飛べる翼の形も決まってるようなもんだから、きっと飛べないでしょう。(トラをクリッピングしといて言うことじゃないかも)それより何よりかわいそうなのが、これを研究のために繁殖している人たちがいるらしいのだ。半年でも普通の家庭で飼い主にめいっぱい可愛がられれば…
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ここまで読んでハッした。地雷ワード、「めいっぱい」、パ裂である。

午後、茨城県沖を震源に震度3。

Posted: 3月 4th, 2012
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03/03/2012/SAT/四百二十八日目

オフ。ちび太、名前を呼ぶと、飛んできて指にとまるようになった。

震度3以上の地震は観測されず。穏やかな一日。今日は完封。

Posted: 3月 3rd, 2012
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02/03/2012/FRI/四百二十七日目

七生特別支援学校で特別授業。対象は高校2年生26人。

七生特別支援学校の子たちは、論理的思考や言語の扱いは苦手だが、開かれた剥き出しの心を持っており、その感覚は恐ろしく鋭敏であるというのが、先日下見に訪れたときの印象。言葉で伝えられることが少ない分、いかに身体と身体、感覚と感覚で、彼(女)らと共鳴を生み出せるかが勝負所だった。

生徒の中に一人耳の聞こえない子がいた。音は僕の表現では欠かす事のできない要素なので、どうしたものかと考えあぐねた結果、その子のために教室の床に振動スピーカーを設置、音を触覚的に感じられる仕掛けをつくった。その子に胸に電子聴診器をあててもらうと、その心臓の鼓動は地震のような振動となって床を揺るがした。どよめく教室…。さらにその鼓動を白熱球の光と同期させると、その子の命は光になって空間を明滅させた。耳の聴こえないその子は、足の裏と網膜で自分の命を感じながら、心臓のリズムに合わせて、何かを突き破るような勢いで「ハッ!ハッ!」と何度も息を吐いていた。なぜかは分からないが、そうしなくてはならない理由があったのだろう。僕はとっさにギターを手にとって、鼓動に合わせて、ボディを叩き、弦を揺らし、ここぞという瞬間を狙ってシンバルを蹴り上げた。もちろんその子にその音は聴こえない。しかしお互いの間に、コラボレーターとして、特別な瞬間を創造しているという確信が生まれた。

骨伝導マイクの音も床に響かせてみた。頭蓋骨を叩くとその振動が床に伝わる。その子に叩いてごらんと頭を差し出すと、ありったけの力を込めてゲンコツで殴られた。顔を歪め、「痛ってぇー!」と思わず声を上げる僕。大笑いする生徒たち。隣に座っていた子が見かねて、その子の手をとり、コツコツと優しく僕の頭を叩くのを手伝ってやる。耳のきこえないその子にとって、小さな振動が電気で何倍にも増幅されるということは、まったく新しい体験だったのだ。自分の体に伝わってくる、その大きな振動に見合う力で叩かなければ、と思ったに違いない。

今回の七生特別支援学校への訪問で、「アーティスト一日学校訪問」はすべて終了。

震度3以上の地震は観測されず。今日は完封。

Posted: 3月 2nd, 2012
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01/03/2012/THU/四百二十六日目

朝、地震の揺れで目が覚める。

ちび太が大分慣れて来て、頭に飛びついてきたり、レディー・ガガで歌いまくったり。

明日の、七生特別支援学校での「アーティスト一日学校訪問」ための準備。

朝、茨城県沖を震源に震度5弱。深夜、福島県沖を震源に震度3。今日は完封。

Posted: 3月 1st, 2012
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