19/03/2011/SAT/七十八日目

未明、伊豆で震度3、福島で震度3、岩手で震度3。朝、岩手で震度4、茨城で震度4。夜、茨城で震度5強。

震災発生から一週間が過ぎた。

実家での引きこもり生活を送ってきた私たちは、知らず知らずのうちに情報に神経を浸食され、いつの間にか呼吸も浅くなり、顔には疲労の色がにじむようになっていた。

震災の影響でしばらく閉館していた東京都現代美術館が、今日から開館するという。そこで展示されている自分の作品の確認と、気分転換をかねて久しぶりに出かけることにした。

昼間に外へ出るのは数日ぶりだ。頭上には青空が広がり、辺りは麗らかな春の匂いに包まれていた。傍らを歩く「パ」ートナーは放射能を恐れてマスクをつけ、季節遅れの上着のフードをかぶり、宇宙飛行士のような出で立ちで歩いている。道ばたに並ぶ自動販売機の水はすべて売り切れ。駅に着いても、次の電車がいつ来るのか分からない。もはや時刻表はあってないようなものだった。

清澄白河に到着。今日から再開しようとしているのは、美術館ばかりではなかったようだ。美術館へいく途中に通りかかった幼稚園の園庭には、たくさんの園児と母親たちが集まっていた。

きっと久しぶりに幼稚園に来られたことが嬉しいのだろう。園児たちは喜びを爆発させるようにしてはしゃぎ回っていた。一方で園児の母親たちは、その喧噪をよそに世間話にふけっていた。園庭の砂の放射線量は空気中の数値よりずっと高いはずである。門の柵の外側から園内を眺めていると、その日常的な風景が、演出されたフィクションのようにみえて仕方がない。

すべてがちくはぐ。
自然だったものが、不自然なものとして目に映るようになっている。

今日は完封。

ここまでの成績…
積算上演日数:524日(±0)
終演まで:446日(-1)
終演見込み日:2012年6月7日(±0)

Posted: 3月 19th, 2011
Categories: パ日誌
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