14/03/2011/MON/七十三日目

未明、千葉で震度3、福島で震度3。早朝、福島で震度3、茨城で震度3。朝、茨城で震度5弱。長野で震度3。昼、新潟で震度4、福島で震度4、長野で震度3。夕方、福島で震度4、茨城で震度3。夜、茨城で震度3。

起床。昨晩はよく眠れた。
一昨日起きた原「パ」ツ事故の経過が不安で仕方がなかったが、「パ」ートナーや家族と同じ場所にいられることで、私も肩の力が抜けたのだろう。

しかし昨日発表された計画停電の影響で、朝から首都圏の鉄道網は混乱をきたしていた。テレビニュースによれば、どの路線でも運休や運行本数の大幅な削減が相次いでいるとのこと。通勤に向かおうとする人々が電車に乗れず、何時間も足止めを喰らって首都圏の駅という駅が大混乱しているという。こんな非常時でも定時に出勤しようとする日本のサラリーマンたち。私にはとてもマネできない。

幸い私はオフだったが、「パ」ートナーは仕事に出なければならないという。どうやって職場に辿り着いたらいいのか、と頭をかかえる「パ」ートナーに、「休んじゃいなよ」と提言したがそんな訳にはいかないらしい。ネットで調べたところによると、実家のある田園都市線は、始発から午後1時30分まで通常の5~6割で運行、午後1時30分~午後5時30分は全線運休になるという。とりえず同じ田園都市線沿線の弟に電話をかけてみるがつながらない。鉄道網も電話網も混乱しているようだ。何度かかけてやっとつながると、弟もやはり駅で足止めを喰らっているという。

鉄道網が完全に機能不全に陥っていると判断した私は、「パ」ートナーを車で職場へ送ることにした。道路も渋滞しているかも知れないが、とにかく車で出てみよう…。しかし私の予想に反して道は空いていた。とりわけ首都高速はがらがらだった。この時間にこの交通量は通常では考えられない。トラックがほとんど走っていない気がするが、物流が滞っているのだろうか。

そして予想より早く「パ」ートナーの職場に到着。車で送ったはいいものの、しかし彼女はどうやって帰ったらいいのか。田園都市線は午後5時30分までは全線運休。運転再開されたとしても、また朝と同じような大混乱が起きることが予想される。そのような状況で、もし大きな余震が襲ってきたりしたら…。

「パ」ートナーも今日の仕事は長くはかからないと言うし、一旦帰って車で迎えに来るためにまた出直すのなら、どこかで時間をつぶしていた方がいいだろう。相談すれば職場のミーティングルームに居させてもらえるかも知れないというので、私は「パ」ートナーの職場へ遠慮なくお邪魔することにした。仕事の現場に彼氏が付き添うなど、「どんだけ過保護なんだよ」と突っ込まれるかも知れないと思ったが、状況が状況である。

少し恐縮しながら「パ」ートナーの職場の方々にご挨拶。皆暖かくウェルカムしてくれた。「パ」ートナーが別室で仕事をこなしている間、私はミーティングルームのソファーに座り、ノートPCでメールチェックしたり、twitterを覗いたりしていた。しかし30分も立たないうちに、「パ」ートナーが血相を変えてミーティングルームに駆け込んできてこう言った。

「パ」ートナー:「急いで荷物まとめて!帰るよ!」

私:「え?」

「パ」ートナー:「また原発が爆発したの!」

急いでニュースサイトを確認。

速報:「福島第一原発3号機で水素爆発」

掲載されている写真を見ると、原「パ」ツから天にも昇る勢いで巨大な黒煙が上がっているではないか。ヤバい。これは12日の爆発よりずっと大きい。

この事故を受けて、仕事は急遽打ち切り。職場の全員が帰宅することとなった。「パ」ートナーの仕事の現場にまで図々しく押しかけた私の決断は正しかったのだ。急いで車に乗り込んで実家へと向かう。風にのった放射能が首都圏に到達するのは時間の問題だ。私の運転は荒くなっていた。アクセルを踏み込めば踏み込むほど、逆に時間がゆっくり流れて感じられた。道は空いていた。空は馬鹿みたいに晴れていた。それなのに窓を開けて風を浴びることすらためらわれた。もしかして東京を離れなければならなくなるかも知れないな…と思った。これからいったい何が起こって私たちはどうなるのだろう。

しかしこんな状況下で交わす「パ」ートナーとの会話の中で、私は喉もとを何度も駆け上がってくる「原発」という言葉を飲み下しながら、代わりに「原子力発電所」という言葉を使い、巧みに「パ」という音節を避け続けていた。

実家に帰宅し、テレビニュースにかじりつく。再び爆発が起こってしまった今、とにかく現状を見守ることしかできないのだ。

少し先が見えて落ち着くまで、私たちはしばらく実家に泊まることにした。

というわけで原「パ」ツは爆発したが、「パ」の「パ」裂は免れ、今日は完封。
ホワイトデーのことなどすっかり忘れていた。

ここまでの成績…
積算上演日数:522日(±0)
終演まで:449日(-1)
終演見込み日:2012年6月5日(±0)

Posted: 3月 14th, 2011
Categories: パ日誌
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