09/01/2011/SUN:九日目

昼:たまごサンド、ミックスピザ
夜:天ぷらせいろそば

今日も『金閣寺』の稽古に神奈川芸術劇場へ。

二勝目をあげた次の日はやはり欲が出る。三勝目をあげようといつもより言葉を発することに慎重になり、コミュニケーションを恐れて無口になっている自分に気づく。

『「パ」日誌メント』をはじめてからというもの、私の意識は二つに引き裂かれている。話そうとする私の口には馬のように轡(くつわ)が取り付けられていて、もう一人の私がその轡に繋がれた手綱を握っているような感覚だ。話している私の上唇と下唇が接触し、直後に声がこみ上げて、今にも「パ」という音節が破裂しそうになったその瞬間、もう一人の私は力づくで手綱を引っ張って、ことばを発しようとする私を強引に黙らせようとする。

そのことによって確実に「パ」を口にしてしまう事態は避けられていくのだが、手綱を持った私は神経質になり過ぎて、その嫌疑を上唇と下唇が接触することで生まれるあらゆる音節…「ピ」「プ」「ペ」「ポ」や、「マ」「ミ」「ム」「メ」「モ」、「バ」「ビ」「ブ」「ベ」「ボ」…にまで向けはじめる。上唇と下唇の接触の予感がするたびに、もう一人の私が執拗に手綱を引っ張るものだから、話そうとする私はかなりの頻度で口ごもらざるを得なくなるのだ。

そんな状態で生きているうちに、私は話すことに疲れ果て、どんどん口数が少なくなっていく。
いっそのこともう何も話したくない気分になるが、それは即ち一切の社会的活動を放棄することを意味するだろう。

この日は稽古場で衣装の方と話しているときに、今まで最も言いそうで言わなかった言葉が「パ」裂した。

地雷ワード1.”パフォーマンス”

しかし今日はこれ一回のみ、これまでの成績を考えると健闘したと思う。

というわけでこの時点で…

積算上演日数:393日+1日=394日
終演まで:385日(変わらず)
終演見込み日:2012年1月29日

Posted: 1月 9th, 2011
Categories: パ日誌
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