21/07/2013/SUN/九百三十三日目

朝、「パ」ートナーを叩き起こし、寝ぼけた彼女の手を引っぱりながら投票所へ。

今回の参議院選は未来がかかっています。もし自民党をはじめとする改憲に積極的な党の獲得議席が、合わせて3分の2に達すれば、彼らは真っ先に憲法96条に手を付けようとするでしょう。僕は原「パ」ツにも、TPPにも、そして(少なくとも現政権による)憲法9条改変にも反対ですが、まず僕が何より憂慮しているのは、この憲法96条が変えられてしまうことです。

自民党は96条で定められた3分の2という発議要件を2分の1に緩和することで、「国民に憲法が自分たちの手にあると実感できるようにする」とあたかも国民主権を尊重するようなことを言いますが、いままで改憲議論に蓋をしてきたのは当の自民党です。このタイミングでそんなことを言われても…と思います。それにわざわざ発議要件を2分の1にしなくとも、国会にいるのは国民が自らを代表するべく選んだ議員たちですから、国民が本当に求めるならば、衆参両院で3分の2の賛成を得て、憲法改正の発議に至るはずでしょう。

そもそも憲法とは国家権力を縛るための法です。改憲するならば、現行のルールに則って正々堂々とやるべきであり、そのルールを変えて思い通りに事を運ぼうというのは、とてもずるいやり方だと思いませんか。立憲主義は人類がその歴史の中で血を流しながら獲得した英知です。軍隊を持ち、警察を持ち、紙幣を刷ることができる強大な権力が、自らの思う通りに簡単に変えられるような憲法など、もはや憲法ではないでしょう。

自民党の改憲案にはたくさんの憂慮すべき問題点がありますが、一つ一つの具体的な法案以前に、改憲案の根本に潜む彼らの魂胆に、僕は今、強い不信感と危機感を抱いています。それは真っ先に96条に手を付けようとする姿勢にも表れていますし、改憲案全体に渡って基本的人権への姿勢が大きく後退した表現になっている点にも表れています。震災以降、国家権力は国民をいかに思い通りにコントロールするかに執心しているように見えます。その為に、まず国民が権力から自らを守るための盾である、基本的人権を奪おうとしているとしか思えません。自民党の改憲案にはそんな彼らの魂胆が如実に表れているのです。

さらに自民党の改憲案の前文には以下のような文言があります。

『日本国民は、帰属する国や社会を愛情と責任感と気概をもって自ら支え守る責務を共有し…』

これには、ふざけるなと言いたいです。愛情とは人間の心の一番深いところにある、誰にも侵されてはならないものであるはずです。上から”責務”として命じられる筋合いはありません。何を愛するかは自分で決める…いや、もしかしたら愛というのは自分の意思ですら決定できるものでもなく、心の深いところから、自ずと湧き上がってくるものかも知れません。そうした人間本来の心の自由を侵し、個人を内側から支配しようとする憲法など、認められるはずがありません。

投票用紙に記入しながら、ちゃんと書いているかな、と隣の記載台に向かう「パ」ートナーを見てみると、先ほどの寝ぼけた顔とは打って変わってその表情は真剣でした。今回の参議院選でも自民党は圧勝すると言われています。原「パ」ツを推進し、TPPに参加し、憲法改変しようとしているにも関わらずです。それでも未来のために、僕は「パ」ートナーと共に、怒りを、そして希望を込めて、一票を投じます。あなたのことを想いながら。

千葉県北東部を震源に震度3。今日は完封。

Posted: 7月 21st, 2013
Categories: パ日誌
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