04/01/2011/TUE:四日目

朝:コンビニおにぎり(明太マヨネーズ、うなぎ)
昼:回転寿司(サーモン、中トロ、青さ汁、他)
夜:牛丼

まず昨日三日の出来事から。新年早々、福岡ユタカさんの自宅スタジオにお邪魔し、二人で月末から上演される舞台のための音楽を制作。Protoolsの画面を睨みつつ、二人で話し合いながら作曲していく。作業中、何の悪気もなく、私の前で「パ」のつく言葉を連発してくる福岡さん。

「ここでパッド系の音をいれてさぁ…」
「カオスパッドのエフェクトはやっぱりなかなかエグいんだよね…」
「ここは山川さんのパフォーマンスが入ってくるから…」

今の私にとっては悪魔の囁きである。それでも中々良い感じの音が出来上がってくると楽しくて、作業にも熱がはいってくる。しかしそんなときが一番危ないのだ。油断したところでやはり口が滑ってしまった。

「福岡さん、やっぱ、そこはスパン!とカットアウトじゃないですか?」

①”やっぱ”、②”スパン!(擬態語)”。計2発の地雷ワード、パ裂…。
したがってこの時点での積算上演総日数:371日+2日=373日。

福岡さんは私が地雷を踏んだことなど知る由もなく、淡々とProtoolsの画面に向かってエディット作業を続けていた。「あぁ~~~~~っ!!!!」と悲痛な叫びを上げる私。ただし、心の中で…。作業する福岡さんの後ろで私は空しく頭をかかえるしかなかった。

この日は帰省している「パ」ートナーに度々電話していたのだが、何故かぜんぜん出てくれなかった。仲直りしたものの、先日の諍いのこともあり、一体どうしたんだろうと一日中気がかりだったのだが、夜、帰宅して電話をしてみると、ようやく出てくれた。そこで開口一番、また口が滑ったのだった…。

「もう、心配したじゃないかぁ!」
地雷ワード、パ裂、③”心配”。

しかもその後で、洗濯物の話になり、また地雷がパ裂…。

地雷ワード、④”パンツ”。
したがってこの時点での積算上演総日数:373日+2日=375日。

次の日、一月四日は東京芸大の仕事始めだった。授業開始前にホワイトボードに大きく「パ」の字を書いて、今年からこの音を発音できなくなったことを説明する。この日の授業内容は学生たちの制作中の作品の進行チェックと個別指導。学生たちとの会話中、言葉を選びつつ地雷を踏まぬよう脳内で格闘するものの、その努力も空しく散ってゆく。

地雷ワード、⑤”パノラマ”、⑥”パッ”(擬態語)、⑦”失敗”。計3発のパ裂。
この時点での積算上演総日数:375日+3日=378日。

会話中、地雷を踏んでしまい頭をかかえる私を見て、「す、すいません…」と申し訳なさそうに言ってくれる子もいたのだが、もちろん学生には何の罪もない。

芸大の仕事を終えた後は、都内でSNOW Contemporaryの石水さんと打合せ。石水さんは他ならぬ『「パ」日誌メント』を販売した張本人である。しかし、ここでも地雷ワード、パ破。

地雷ワード、⑧”レセプションパーティー”
この時点での積算上演総日数:378日+1日=379日。

「聞いちゃった…。なんかショック…」と石水さん。

この日はこれでは終わらなかった。田舎から帰ってきた「パ」ートナーが、お土産に地元の神社で交通安全のお守りを買ってきてくれて、それを受け取った瞬間…

「おぉ、ありがとう。立派なお守りだなぁ…」

地雷ワード、⑨”立派”
この時点での積算上演総日数:379日+1日=380日。
「パ」フォーマンス終了まで 、380日−4日(経過分)=376日。

ヤバイ…。本当にヤバイ…。一年間のプロジェクトのつもりではじめたはずなのに、このままでは永遠に終わらない。例えば一日に「パ」と三回口にしてしまい、その賠償として三日契約が延長されて、その延長された日それぞれに、また三回「パ」と口にしてしまったとしたら…。そう考えるとねずみ算式に積算上演総日数が増えていき、天文学的な数になるだろう。「パ」を100万円で売ったものの、これでは逆に法外な利息の借金に追われ続けているようではないか…。

Posted: 1月 4th, 2011
Categories: パ日誌
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