08/04/2013/MON/八百二十九日目

今日から本年度の芸大の授業がはじまりました。今年の2年生の共通テーマは「見ること/見えること」。

まずはラウンドテーブル形式で、学生たちに最近見たもの、見えたものについてを発言してもらいながら、ブレインストーミングして行きます。夢の話、デジャヴの話、落語の見立ての話、街で見かけた怪しい人の話、内視鏡検査で初めてみた自分の体の中の話、想像したことがそのまま目に見える金縛りの話、幽体離脱で見た自分自身の姿の話などなど、沢山の興味深い話が出ました。

僕からは、英語で「撮影する」とは「shoot」ということを引き合いに出しながら、見ることの攻撃性についての話にはじまり、主に戦争をめぐる「見ること/見えること」について話をしました。例えばイラク戦争時にロサンゼルスタイムスの一面に掲載され、当時大きな問題となったという合成写真の話、ビン・ラディンの殺害の一部始終が、米特集部隊員の頭に取り付けられたカメラからホワイトハウスへと生中継され、米首脳たちがそれを淡々と見ていたという話、Wikileaksがリークした米軍ヘリによるイラク市民銃撃映像の話、そして既に実戦で使用されているというプレデターの話などなど。

プレデターとは米軍の開発した無人航空機で、機体に搭載されたカメラの映像を介して、なんと米国本土から遠隔操縦するのだそうです。人間が搭乗しないため、撃墜されてもパイロットは死傷しないというわけですね。3DCGの進歩が著しい近年、テレビゲームは実写映像と見まごうほどのリアリティを獲得していますが、こうなってくると実戦とテレビゲームの境界がどこにあるのか、いよいよ本気で分からなくなってきます。

そんな話を学生たちにしようとした時のこと。

僕:「プレデターという米軍の無人航空機では、人間が搭乗しないので、パイロ…、あ…」

地雷ワード、「パイロット」パ裂。

毎年、4月に入ると舌が滑りやすくなるようです。

震度3以上の地震は観測されず。

Posted: 4月 8th, 2013
Categories: パ日誌
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