15/03/2013/FRI/八百五日目

洗濯が追いつかず、右足に赤い靴下、左足に黒い靴下を履いて出かけています。

今日は『アトミックサイト・スティル・アライヴ』展の買い出しをしてから、首相官邸前で行われる反原「パ」ツ抗議へ。僕自身、久しぶりの参加だったのですが、二年前に首都圏をフォールアウトが襲った今日という日は、やはり参加しなければと思って出向いたものの、昨年に比べて運動の規模はだいぶ小さくなっていて、20万人規模の人々が集まっていた頃がなんだか幻のように思えました。

抗議終了後は東向島の現代美術製作所へ展覧会の設営作業へ。今夜は徹夜で設営作業になるので、その前に腹ごしらえしようと近くのそば屋へ入ると、店内のテレビでは安倍晋三首相が日本のTPP交渉参加について語る姿が映し出されていました。報道によると本日、安倍首相は正式にTPPへの交渉参加を表明したとのこと。先の選挙で自民党はTPPに関して「聖域なき関税撤廃には反対」との公約を掲げていたというのに、肝心な点をなおざりしたままたった三ヶ月でこの様です。さらに安倍首相は、TPP参加には中国を牽制する意味もあるとして、加熱する国境問題に話を移し、あの舌っ足らずな口調と強気の姿勢で語り続けました。

すると僕と共にテレビを眺めていた、となりのテーブルの60代のオジさん三人組のうち一人がこう言いました。

「もう中国とは戦争するしかねぇよ。なぁ!」

最近、飲み屋なんかでも酒の肴に戦争を話題にする人が増えたように思います。戦争というものが観念として人々の日常に定着しはじめているのでしょう。しかしみんな口では戦争だ、なんて言いながら、誰も自分や自分の子供や孫が戦場へ行くことを覚悟しているとは思えません。いつだってそんな実感を伴わない観念が、政治や経済や社会を動かしていくのです。

人は忘れます。忘れることは自然の摂理であり、僕らはいろいろなものを忘れることで生まれ変わりながら生きています。現在の日本の抱える問題は「過去の忘却」ではなく、「現状への麻痺」にあると思います。今もまだ放射能汚染は続いています。今日も福島第一原「パ」ツの港のアイナメから、これまでで最大となる74万ベクレルのセシウムが検出されたそうです。僕たちはこのようなニュースにもう驚けなくなってきています。

震度3以上の地震は観測されず、今日は完封。

Posted: 3月 15th, 2013
Categories: パ日誌
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