17/08/2011/WED/百八十五日目

午前中、北海道泊原「パ」ツ営業運転再開にあたり、「北海道知事室道政相談窓口」に電話。

僕:「あのー、僕、神奈川県民なんですが、泊原子力発電所を停めたいんです…」
担当者:「はぁ…。 神奈川県の方ですか…あのこちらは北海道の行政機関でして…」
僕:「でも泊で福島のような事故があったら、それは北海道だけの問題ではなく、日本全体の問題だと思うんです。だからこうして北海道へ電話をかけているんです」
担当者:「えぇ、おっしゃることは分かります。原子力安全対策課の方にお繋ぎすることはできますが、ただいま回線の方が非常に混み合っておりまして、繋がらない可能性が高いんです。それでも転送してみますか?」
僕:「はい、お願いします」
待てど暮らせど、北海道知事室道政相談窓口の担当者が言った通り、原子力安全対策課の回線はつながらず。相当数の抗議の電話が殺到しているようだ。諦めて電話を切り、北海道知事室道政相談窓口へかけ直し、自分の意見を文書という形で提出してもらうことにした。

午後、向島の現代美術製作所にて開催中の『アトミックサイト展』にて、『原「パ」ツお悩み相談室』一日目。本日は3名の方が相談室を訪れた。ちなみに『原「パ」ツお悩み相談室』の告知文は下記の通り。

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▼ 山川冬樹【原「パ」ツお悩み相談室】

原発や放射能からくる、お悩みや不安、怒りや悲しみ、また、誰にも言えず抱え込んでしまっている想いなどがありましたら、あなたの「お声」をお聞かせください。「声」の表現者である担当相談員(山川冬樹)が、あなたのご相談をお受けいたします。

※担当相談員は、原子力工学や放射線医学の専門家でもなければ、カウンセリングのスキルがあるわけでもなく、あくまで「ただのアーティスト」であることをご了承ください。

※いただいたご相談の内容は、原発問題改善と芸術文化振興のため、記録させていただく場合がございます。記録された音声は、後日、CDにて贈呈させていただきます。なお、記録を希望されない場合、申し出ていただければ、オフレコにてご相談を承ります。

※まことに勝手ながら、芸術活動上の事情により、担当相談員は「パ」という音節を口にすることができませんので、その点あらかじめご容赦願います。(この件についての詳細は、http://pa-nisshi.net/ をご覧ください)

※ご夫婦、カップルでのご相談も歓迎いたします。
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現代美術製作所と隣の建物の間の隙間に建てられた小さな小屋の中、膝を付き合わせ、マンツーマンで相談者の方々の話をきく。震災以降、友人や同僚、家族とも共有されぬまま、個人の内側に閉じ込められてきた切実な声たちや、電子の文字としてネット上でつぶやかれることはあっても、声帯の震動として誰かに受け取られるチャンスを失っていた声たちが、沈黙を破って小さな小屋の中で解き放たれ、下町のサウンドスケープと混じり合って響くとき、僕はそこに最高にかけがえのない瞬間を発見した。その瞬間はほとんど音楽的ですらあった。

夜、茨城県北部を震源に震度3。今日は完封。
ここまでの成績…
積算上演日数:763(±0)
終演まで:534(-1)
終演見込み日:2013年1月31日(±0)

しかし「パ」日誌の更新が一日滞ったため(2/26)、上演期間を一日延長。
積算上演日数:764
終演まで:535
終演見込み日:2013年2月1日

Posted: 8月 17th, 2011
Categories: パ日誌
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