14/07/2011/THU/百五十一日目

宮城県で震度3。

森下の明治座の稽古場で、舞台『金閣寺』NY公演へ向けての記者会見が行われた。僕は”GENPATSU NASHI DE CRASS” と書かれたTシャツを着て参加。

記者会見の中で、僕が他の共演者の方々の発言を聞いていて意外に思ったのは、皆、ニューヨークへ「行く」ことへの思い入れがとても強かったということだ。スポーツ新聞の芸能欄でも『金閣寺』がニューヨークへ「行く」ことが大きく取り上げられている。いや、確かに『金閣寺』の出演者やスタッフは飛行機に乗ってニューヨークへ「行く」のだが、それはあくまで物理的な話であって、重要なのはそういった物理的な場所ではなく、作品の上演によって出現する場所の方であり、そういった場所というのは、物理的な場所とは無関係に出現するものである。だから本番がはじまってしまえば、ニューヨークの劇場だろうと、日本の地方の劇場だろうと、何も変わらないというのが僕の感覚である。劇場の中の空間というのは、物理的にその建物の外にある時間や空間とは切り離されている。そして世界中すべての劇場の空間というのは繋がっていて、大きな一つの内部空間を構成しているんじゃないかと思うことがある。何十回も同じ作品に出演していると、この内部空間に何度も帰っきているような感覚があるものだ。つまりニューヨークで『金閣寺』が上演されたとしても、僕がニューヨークへ「行く」のはなくて、いつもの場所へニューヨークから観客が「来る」という方が、僕にはしっくり来るのだった。

記者会見では、このようなことを、もう少しくだけた感じで話したのだったが、記者の多くは僕の話など興味がなさそうだった。

記者会見終了後は稽古。稽古を終えてアトリエに向い「アトミックサイト」展にむけて作業。

九日連続の完封。

ここまでの成績:
積算上演日数:623(±0)
終演まで:428(-1)
終演見込み日:2012年9月14日(±0)

Posted: 7月 14th, 2011
Categories: パ日誌
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