06/07/2011/WED/百四十三日目

以下、本日浅草橋にあるオルタナティブスペース『浅草天才算数塾』を運営するDJぷりぷり君に送った私信。

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From: 山川 冬樹
Sent: Wednesday, July 06, 2011 11:36 AM
To: DJ.puripuri

Subject: 企画の提案

ぷりぷり君 aka 金太郎

こんにちは山川です。
この間は発電部の集まりに場所を提供してくれてありがとう。小町谷君の授業の展示も算数塾でやるそうですね。

ところで、企画の提案があります。長期的かつ、算数塾の運営の根本に関わる内容なので、ぷりぷり君の意見をききたく思います。

先日の発電サロンを受けて色々考えました。あの時はいろいろなアイディアが出て非常によかったのですが、「発電」というテーマを掲げていると、つい、どうやって電気をつくるかという、電子工作的な手法の面白さだけにとらわれてしまいがちになりますね。しかし僕は発電した電気が誰にどう消費されるのか、作られた電力が何に生まれ変わるのか、そこが非常に重要だと思うんですね。

そこで提案です。「天才算数塾電力独立プロジェクト」。

天才算数塾を東京電力から独立させ、自家発電で作った電気で運営するという、壮大なアイディアです。具体的には、太陽光発電、風力発電、人力発電、その他の発電機を設置し、電力において完全に自給自足の運営を実現する。自分たちの、自分たちによる、自分たちのための電気で、自分たちの、自分たちによる、自分たちのための文化をつくっていく、という夢のある話です。

面積や日照時間、風の状況など詳しく測定し、消費電力と照らし合わせる必要がありますが、小町谷君との話では、自力で作れば30万~40万円くらいあればできるのでは?と見込んでいます。インディペンデントであることを何より大切にしたいので、資金はメセナ等の助成を一切頼ることなく、算数塾で発電関連のイベントや、ワークショップをやってその収益を少しずつ整備費用にあてていくと。改めて法的なことは細かく確認しますが、電気事業法にはうまくひっかからずにできるはず。

2,500円のイベントで30人集まったとして、75,000円の収益。うち、25,000円を出演者のギャラや経費に宛てると50,000円の純益があるので、単純計算で8回くらいやればなんとかなるのではと。独立までの道のりは、ワークインプログレスでネットなどで公開できればと思います。プロジェクトの成長の過程も一つの作品として観られるようにできたらと思います。

安定供給のためには、太陽光、風力が主要な発電方法になるかと思いますが、アート・プロジェクトですから、多少有用性に欠けても、アイディアとして面白い発電も欲しいと思っています。例えば…

・算数塾のトイレでとれた糞尿や、台所で出た生ゴミでバイオマス発電。
・電気ウナギ(♀)を飼育。「でんこちゃん」と名前をつけて算数塾のマスコットとして発電してもらう。
・都市に無駄に散在しているエネルギーを採取(盗用?)し、蓄電して運用。
・ぷりぷり君が発電自転車で日夜発電し、ダイエットしていく。
・バケツ水50杯分を屋上のタンクに入れた人は、イベント無料。上げた水で揚水発電。
・ガチで温泉を掘って地熱発電。
・畳の下に圧電素子を入れて、畳発電。
…とか。

以上、ざっとアイディアの概要です。

これは運営の根本に関わる問題ですし、多分に実験的な企画です。現在の状態よりも、電力供給の安定性は損なわれるでしょう。でも、こうした無茶ができそうな所というと、天才算数塾しかないのです。

僕が今後重要になってくると思うのは、DIYの精神をもって自分で「つくること」です。お金と交換することで簡単に手に入るものを、敢えて手間ひまかけて自分で「つくる」こと。いざダイナモを回して自分の手で発電してみると、苦労してもほんのわずかな電力しかつくれないことを思い知ります。しかし、この「苦労」=「体感的コスト」に価値を見いだしていくことが大切だと思うのです。

例えばスーパーに行けばすぐに数十円でトマトやキュウリを買う事ができるわけですが、敢えてそれを手間ひまかけて自分でベランダで栽培してみる。そしてやっとできた野菜を自分で食べてみる。自分の手でつくった野菜を食べるときの、あの格別な味わいのようなものが、とても重要なのではないかと思うのです。わざわざ野菜を手間ひまかけて育てるような、「体感的コスト」を払うことが、苦労を超えて喜びとなり、その喜びが生きる上で必要不可欠なものとなったとき、僕らはインディペンデントになれるのではないか、さらに言えば、あの事故を引き起こしたシステムから自由になれるのではないか、と思うのです。

たとえ効率性に欠け、採算が合わなくとも、「つくること」の苦労をいとわず、それを喜べるのはアーティストくらいなものでしょう。ですから、発電もアートを志す者から自然発生的にはじまって然るべきだと思います。そのために、必要になってくるのが「場」です。野菜で例えるなら「畑」です。つまり例えるなら、これは天才算数塾を「電気の畑」にしませんか?という提案です。

どうでしょうか。考えてみてもらえれば幸いです!こんどこの件で、打ち合わせできれば。。。

ではでは!

やまかわ

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そして今日は完封。

ここまでの成績:
積算上演日数:623(±0)
終演まで:436(-1)
終演見込み日:2012年9月14日(±0)

Posted: 7月 6th, 2011
Categories: パ日誌
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