17/04/2011/SUN/百四日目

新潟で震度5弱。福島で震度4。茨城、千葉、宮城で震度3。

「パ」の買い主に宛てた陳謝メールを書くのに苦悶。

あぁ、なぜ自分は「パ」日誌の更新を滞らせてしまったんだろう…。そもそもなぜこんな変なことを始めてしまったんだろう…。3月11日以降、震災のせいですべてが狂ってしまったのだ。こんなはずじゃなかった。仕事もないし、未来もないし、希望もないし、あるのは苦悶のための時間だけ。もうこの国にも、何もできない自分にも心底嫌気がさした。最悪だ…。
何もかもが嫌になり、自暴自棄になりかけた時、「パ」ートナーが一冊の詩集を渡してくれた。

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「自分の感受性くらい」茨木のり子

ぱさぱさに乾いてゆく心を ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて

気難しくなってきたのを 友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか

苛立つのを 近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし

初心消えかかるのを 暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった

駄目なことの一切を 時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄

自分の感受性くらい
自分で守ればかものよ
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「ばかものよ」…私が求めていたのはこの言葉だった。ハンマーで脳天を打たれたかのような衝撃を受け、いても立ってもいられなくなり家を飛び出す。「ばかものよ」を全身に巡らせようと、本能が運動を求めたのだろう。私は走った。詩の言葉を反芻しながら走った。走れば走るほど私の中で「ばかものよ」が勢い良く弾んだ。

そして駅前までたどり着き、ふと立ち止まって横断歩道の方を見ると、一人のおじさんがヤギに首輪をつけて散歩していた。まるで犬でも散歩するかのように。

「なんでヤギやねん!」と、思わず関西弁でつっこみを入れる私。

私の住んでいるところは、都心から電車で20分ほどの街で、決して農村があるようなのどかな田舎ではない。しかしそんなことはどうでも良かった。私はこのヤギとの出会いに何だかよく分からない縁を感じて興奮し、すぐに家に戻ると、「パ」の買い主への陳謝メールを書き上げた。そして送信。

今日は完封。

ここまでの成績…
積算上演日数:535日(±0)
終演まで:428日(-1)
終演見込み日:2012年6月18日(±0)

Posted: 4月 17th, 2011
Categories: パ日誌
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