01/04/2011/FRI/九十一日目
全国民が平和と秩序と規律の回復に努めねばならぬ。我々が恐れる唯一の危険な敵は、パニックが起こる事である。パニックは伝染しやすく、常識を以ってしては、測れぬ様相を示す事がある。秩序と、そして組織である。国民諸君、このほかに道はない。秩序だ。秩序を守って、混乱を防ぐのだ。国民諸君に心からお願いする。何が起ころうとも勇気を以って、理性に従って行動しなければならぬ。
ミサイル基地のどれかが、おそらくは、我々に悲劇的終末をもたらす。通信はもはや保証されていない。国民諸君、この際、何が重要であるかは、すでに話した。動いてはならぬ。全欧州に安全な土地は、我々がいる所のほか、他にどこにもない。そのため、我々全員が同じ状況のもとにおかれている。すべての地区に軍の特殊部隊が配置され、その指揮をうける。それ故…
ザーという音と同時に電波が混線し、テレビの映像が途絶える。
「何かしないでいいの?」いすから立ち上がって言うアデライデ。
「私はこの時を一生待っていた。この時が来るのを待っていた」と独り言を言うアレクサンドル。
部屋を沈黙が襲う。オットーがアデライデにさわろうとする。
「さわらないで!」と叫び、「私たち何かできないの?」と泣き崩れるアデライデ。
「ママ落ち着いて」とマルタ。
アデライデを落ち着かせようとするヴィクトル。
「私が悪いのよ。罰を受けているのよ」と言いながら、理性を失っていくアデライデ。
アンドレイ・タルコフスキー、『サクリファイス』より。
秋田で震度5強。岩手、宮城で震度4。
5日連続の完封。
ここまでの成績…
積算上演日数:530日(±0)
終演まで:439日(-1)
終演見込み日:2012年6月13日(±0)